今から約60年前から構想されていた!
じつはトヨタはこれよりも前の1965年からガスタービン車の開発に力を入れていて、ガスタービンで直接動力を得るのがGTVが初だったものの、1975年の東京モーターショーにはセンチュリーのガスタービンハイブリッド車を、また1977年にはトヨタスポーツ800をベースにしたガスタービンハイブリッド車を出品している。ヨタハチについては現車が残っているので、目にしたことがある人もいるかもしれない。
ハイブリッドということは、直接駆動に使われるのではなく、ガスタービンは発電に使われて、作られた電気はバッテリーに溜めつつモーターを使って駆動させる仕組み。現在の日産のe-POWERのようなシリーズ式ハイブリッドだった。ただ、コンパクトなのはいいものの、エンジンとして特殊で開発が難航することが予想されたので、直接動力を取り出すことを目指して誕生したのがGTVということになる。
現状普及していないことからもわかるように、ガスタービン、つまりジェットエンジンのデメリットとして、高音のノイズが発生すること。また、負荷の変化に対応しにくく(そのための2軸式だったが)、燃費も悪化するため、自動車にはあまり向かないシステムという結論になり、1990年代に入ると開発は断念されたようだ。
現在ではバスのハイブリットに使用されているし、鉄道でも試作車が作られている。つまり、回転数の変化が少なかったり、騒音やコストの問題が解消できれば採用価値はあるし、燃料を選ばなかったり、高効率、つまり燃費がいいのは大きなメリットなだけに、今後また注目を浴びるかもしれない。