この記事をまとめると
■トヨタは納期遅延が他メーカーと比較して目立っている
■KINTOなどのサブスクを利用すると納期が早まる傾向にある
■HEVよりもガソリンの方が納期が早い傾向にあるが希望のグレードを選ぶのがベストだ
納期遅延しまくってるトヨタ車の賢い買い方とは
新型車が続々と発売されるなど、相変わらず話題豊富なトヨタ。その一方で人気のHEV(ハイブリッド車)を中心に納期遅延にも悩まされている。人気車をより多く抱えるがゆえの悩める現状とも言えよう。そこで今回は新型クラウンの購入研究、納期遅延の現状、KINTOの活用など、ここでは6つのトピックスを紹介し、トヨタ車を賢く買う方法を見ていくことにする。
納期遅延はどうなっている?
販売トップのトヨタだが、納期遅延に関しては、他のメーカーよりも苦しんでいるように見受けられる。生産台数が圧倒的に多く、売れ筋モデルのほとんどがハイブリッド車となっていることが大きいようだ。ラインアップ数も多いので、満足に調達できない部品のやりくりに苦労している様子がうかがえる。
納期の目途をWEB上で公開しているトヨタ系ディーラーの情報を見ると、ミニバンやSUVの納期遅延傾向がより顕著になっているようである。新車を契約しても、ノア&ヴォクシーのハイブリッドモデルの場合、6カ月以上が納車目安になっている(本記事掲載時点)。さらにカローラクロスのハイブリッドモデルに至っては“納期未定”に。一方でヤリスやルーミー、ライズのガソリン車については、やや改善傾向にあり、あくまでも予定だが4〜5カ月納車も可能となっていた。
新型コロナウイルスの再拡大、ロシアのウクライナ侵攻、台湾危機への懸念など、納期改善が遅々として進まない要素が、今はあまりにも多い。
お買い得な買い方は変化したのか!?
いまの新車販売は輸入車も含め、注文をもらった段階でメーカーへ発注する“受注生産販売”がメインとなっている。そのため、販売現場に在庫車をストックできるような余裕がないケースがほとんどである。
そもそもトヨタは“ジャストインタイム”方式で、販売現場に極力在庫を置かない体制をとっていたが、それでも売れ筋車を中心に販売現場で在庫を持つこともあった。とくにフルモデルチェンジが近づき、新型車への生産切り替えなどで新規オーダーがストップしたあとも販売できるように、モデル末期車を“見込み発注”して在庫を持つケースが目立っていた。
これはモデル末期車を大幅値引きで購入したいというユーザーを狙ったものなのだが、現状では人気車ほどバックオーダーを多く抱えている状況なので、オーダーストップ時期も数カ月前と早くなっている。「モデル末期車でも在庫はまずありません。これまでのような買い方は、現状ではまず無理ですね」とは販売現場の声。
納期が遅くてもトヨタ車を選ぶ人が多いワケ
「1年ほど納車を待つことになっても、購入者からのクレームはほとんどありません」とは、ある販売スタッフの声。すでに新車、とりわけトヨタの人気車の納期が大幅に遅れていることは広く世間に知られているが、それでもトヨタ車を購入するユーザーは後を絶たないのが現状である。
その秘密は、セールススタッフの売り方にある。セールススタッフは過去に新車を販売したユーザーのなかから、すぐに新車に乗り換えるつもりのない顧客にもアプローチ。思わず“買う気”になってしまうのである。そのようなユーザーは急いで新車が欲しいということではないので、納車に時間がかかったとしてもあまり文句は出ないのだ(それでもできるだけ早いほうがいいが)。
これはトヨタ系ディーラーのセールススタッフが他メーカー系セールススタッフに比べると、自分の“顔”で売っており、顧客との信頼関係が構築されている“得意客”を多く抱えているからとも言える。“販売のトヨタ”の底力が、納期遅延下での新車販売を支えているのである。