常に車速を確認して運転する習慣をつけよう
登り坂とトンネルが複合的に重なる場面では、永年にわたり自然渋滞が解消されずにいる。
対策として、「登り坂」であることを標識のような看板や照明などで知らせる措置がとられている箇所もある。しかし、余計な情報はかえって運転者の気をそらせ、運転操作への不注意を引き起こしかねない懸念がある。
看板表示の点ではほかにも、すでに渋滞している箇所に「渋滞中です」と電光表示板で示す場面が見受けられる。これこそまさに余計な情報であり、頻繁に利用する人なら無視するが、慣れぬ土地での表示であれば、運転者は何事かと目線をそらし、読み込むことになる。運転から気がそれることによって、アクセルペダルを緩めてしまう可能性もあり、かえって渋滞を悪化させる要因となる。
自然渋滞が起きやすい箇所に限らず、普段から走行速度を確認しながら運転する習慣をつけるのもひとつの解決策だ。速度が落ちはじめていることを知れば、アクセルペダルを踏んで速度を戻すことができる。
また、車間距離を適切にとることによって、前を走るクルマとの間隔が多少変化しても、ブレーキで速度を落とすのではなく、アクセルペダルを戻して速度調節すれば、ブレーキランプが点灯することなく、さらなる後続車も、急にブレーキを踏む機会が減って、自然渋滞は起きにくくなるだろう。
ブレーキを踏まずに速度調節する操作は、じつは電気自動車(EV)が得意としている。ワンペダル的操作で、回生を活かせば容易に速度維持ができるのだ。
トンネルはもちろん、早朝や夕暮れ時には積極的にライトを点灯することも、速度を一定に保ち、自然渋滞を起こしにくくする一助になるだろう。オートヘッドライトを装備するクルマでは、その位置に設定しておくことも効果的だ。
そのうえで、余計な情報を道路上に表示しないことも、自然渋滞を減らすことに役立つのではないか。よかれと思っての行政措置かもしれないが、効果をきちんと検証したうえで対策を講じるべきである。