この記事をまとめると
■いまトヨタはディーラーにすら発売前の新車情報を伝えない
■ネットへの情報流出を嫌ったものともいえるが正確な理由は不明
■そのため事前予約もできなくなっているが「お得意様が先に買える」カラクリはある
ディーラーにも新型車の事前情報が降りてこなくなった
先日発表されるまで、次期ランドクルーザープラド(新型ランドクルーザー250)のスクープ情報がネット上を賑わし、今もなお、クラウンスポーツ、センチュリーSUVなどのスクープ情報がネットで飛び交っている。しかし……「販売現場で話を聞くと、『そのような新型車の情報は現場にはおりてきていない』ということになります。ただ、それではしばらく登場しないのかと思うと7月下旬には、『プラド(新型ランドクルーザー250)は近々ディーラー向けの商品説明会があるようだ』との話も聞くことができていたようです」と事情通は不思議そうに話してくれた。
トヨタの場合は、新型車の正式発表が近くなると地域ごとにディーラー各店舗から代表(セールスマンのなかから)を集めて商品説明会を行うと聞いている。少し前までなら、このタイミングで各セールスマンや各店舗にも、新型車の商品知識学習用の資料が届いたり、配信されたりしていたのだが、新型アルファード&ヴェルファイアから流れが変わってきたとは前出事情通、「各セールスマンはウェブニュースなどの情報ベースで『新型アルファード&ヴェルファイアがまもなく出る』といった情報を知ることはできるが、ディーラー本部やメーカーからは具体的な発売スケジュールや商品情報がはっきりしない日々が続き、端末入力して見積書や予約発注できる体制が整わないなか正式発売日を迎えました」。
SNSなどへの情報漏洩を嫌ってのメーカーの判断とも言われているが、なぜそのようなことになったのか明確な理由ははっきりしていない。ただ、「アルファード&ヴェルファイアの新型は……」と車名を口にするのも禁止されていたというからかなり徹底していたようである。
現状の納期遅延傾向以前から、新車の納期は長引く傾向にあり、各メーカー系ディーラーではおもに、「お得意様」を中心に正式発売前に「予約」という形で受注を取り、納車を少しでも早めようとするのが半ば当たり前であった。また、一部では予約受注期間のほうが、正式発売直後よりも、値引き額や用品無料サービスが充実していたり、下取り査定額の底上げ(車種問わず一律に査定額の上乗せを行う)などが行われることもあり、一部から「公平性に欠けるのでは?」との声もあったので、このようなことも意識し、新型アルファード&ヴェルファイアは人気の高いモデルということもあり、特例として予約受注を取らなかったのかとも考えているのだが……。
「現場で聞いてみると、トヨタは今後予約受注を行わないのではないかといったことがセールスマンの間では話が出ているようです」とは前出事情通。
ただ、新型アルファード&ヴェルファイアでは、当初予約受注が存在しないことは販売現場では想定外だったようで、あの手この手で水面下ではお得意様向けには「予約受注のための予約」を取っており、結果的に「向こう1年分」とした、初期配車台数のなかでかなりの割合の台数が「予約受注のための予約分」の正式受注として入ることとなり、残った少ない台数について、他メーカー車からの乗り換えを検討していたなどの一般客が抽選などで奪い合うこととなった。