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アウディTTには「正式な」ご先祖様がいた! 似ても似つかない感のある「NSU プリンツTT」って何もの? (1/2ページ)

アウディTTには「正式な」ご先祖様がいた! 似ても似つかない感のある「NSU プリンツTT」って何もの?

この記事をまとめると

■アウディTTの「TT」という車名はマン島のバイクレース「ツーリスト・トロフィ」に由来する

■もともとは「ツーリスト・トロフィ」に出場していたNSUで「TT」の名称は使われていた

■現代でもNSU TTはヨーロッパのワンメイクレースやヒルクライムでその勇姿を拝むことができる

アウディTTの車名の由来はバイクレースにあった

 アウディのTTは初代から最終モデルに至るまで、個性的なスタイリングやクワトロシステムを駆使した走りで、終始高い人気を博していたモデル。まったく、生産終了のニュースは残念でたまりません。が、このTTにはご先祖様となる「初代TT」が存在したこと、ご存じだったでしょうか。これまた古い話ですが、アウディの前身となる「アウディNSUアウトウニオンAG」当時にリリースされたモデルこそ、栄えあるTTの名を最初に冠したクルマだったです。

 TTの名前がマン島のバイクレース「ツーリスト・トロフィ」に由来することも、またご承知のとおり。とはいえ、アウディのスポーツカーなのに、どうしてバイクレース? と思うのもごもっとも。じつは、NSUは、1950年代にはバイクも盛んに生産していただけでなく、このTTレースに何度となく出場&優勝を重ねていたのです。

 で、この栄光のヒストリーをクルマに投影したのが1965年にデビューしたNSU プリンツTT(Printz=prince:王子)というわけ。

 もちろん、名前だけ高性能バイクからいただいたわけではなく、バイクで培われた空冷アルミブロックエンジンを採用していることが大きな理由といえるでしょう。この空冷エンジンは1085ccの排気量を持ちながら、クランクに5ベアリング(これまたバイクからのリバーステクノロジー)を投入するなど高回転チューンがなされ、55馬力を発生したとされます。

 そして、2年後には1200ccへとスープアップが施されたほか、ソレックスダウンドラフトキャブの採用によって65馬力までパワーアップ。0-60mph:12.9秒と当時としてはスポーティなパフォーマンスで、ライバルのアバルトやゴルディーニのルノーと火花散る戦いを繰り広げたのでした。

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