この記事をまとめると
■最近はゲートやフラップ板のないフラップレス式駐車場が増えている
■フラップレス式駐車場は初期投資が少なく利用者の出入りがスムースなどのメリットがある
■駐車料金を支払わず不正使用する人への対策も万全で今後普及していくと思われる
カメラによる常時監視で意外にも不正利用は少ない
これまでコインパーキングというと、駐車マス(1台ずつの駐車スペース)ごとに、フラップ板がついている「フラップ式」、もしくは出入り口のゲートが閉まる「ゲート式」が主流で、臨時駐車場などの一部では、パーキングチケットのような前払式の「チケット式」も導入されていた。
それに対し、駐車マスにフラップ板もなければ、出入り口にゲートもない、「フラップレス式」(「ロックレス式」)のコインパーキングが、最近徐々に増えてきていて注目を集めている。
「フラップレス式」は、フラップ板やゲートの代わりに駐車マスごとにポール状のセンサー=ポールセンサーを立てて、カメラやセンサーで駐車車両のナンバーを認識して料金を管理するシステムで、初期投資が少なく、利用者が入出庫しやすいという大きなメリットがある。
他にも
・ロック板のメンテナンスが不要
・不正出庫による機器損傷がない
・機器のトラブル時の緊急対応の必要がない
・車両への損傷トラブルがない
・歩行時のつまずき事故等が少ない
・不正駐車の検知、記録ができる
・事故・不正行為の把握ができる
・駐車マスの掃除がしやすい
・雪かきがしやすい
といった設置側のメリットが多数ある。
さらに利用者側にも、前述の「入出庫しやすい」という利点の他、
・車高の低いクルマでも安心して止められる
・出庫時のロック板確認が不要
・接触事故や機器を損傷するリスクが少なくなる
などのメリットもある。
唯一心配なのは、料金を支払わずに不正使用する人への対策。
「フラップレス式」のコインパーキングは、フラップやゲートのような物理的なストッパーがない分、料金未払いで立ち去る不届き者への対応に不安があるが、統計ではフラップレス式駐車場のほうが不正駐車は少ないとされる。
「フラップレス式」では、一台一台の駐車車両のナンバープレートを監視カメラで撮影しているのと、ナンバープレートが見えなかったり、ポールセンサーのカメラを隠したりするとエラー信号が管理会社に送られ、警備員が現場に急行することになっているので、不正利用をかなり防止できているようだ。
また、料金を精算しないままクルマに乗り込もうとすると、ポールセンサーから『料金をお支払い下さい』とアナウンスが流れるとともに、パトランプもまわり始めるところもあるので、うっかり未精算はほぼ防げる。
あとはまだまだ普及率が低いため、使い方がわからないと敬遠される恐れもあるが、それは慣れればいいだけの話。
常時カメラで監視されていることで、当て逃げやいたずら、車上荒らしなどへの対策にもなるし、これからは「フラップレス式」が主流になっていくに違いない。