日本の納期遅延とは別の「新車が買えない問題」が中国で発生! ナンバープレート発給規制って一体何? (2/2ページ)

規制が入るのは「青地に白文字」のナンバープレートのみ

 発給規制対象地域内では、当時は完全に新車販売に自動車需要がシフトしており、しかも「せっかく手に入れたから」とのことで、韓国車や日本車よりもドイツ車など高級欧米新車がよく売れていたので、対象地域外に転売する豊富なルートを持つディーラー(またはセールススタッフ)によりお客が集まったそうである。

 大都市で発給規制が広がるなか、関連性は確かではないが「中古車売買サイト」が急速に広がっており、個人間や個人と専門業者などとの直接売買も活発に行われているようだ(昔の中国の中古車屋は薄暗い倉庫のようなところに集まって店を出し、強面のオジサン店員ばかりだったので、『中古車屋は怖いところひとりで行くな』とも言われていた。実際に行ってみると、確かに独特の雰囲気に包まれていた)。

 ただし、この発給規制対象はICE(内燃機関)車のみとなり、NEV(新エネルギー車/BEV[バッテリー電気自動車]、PHEV[プラグインハイブリッド車]、FCEV[燃料電池車])は対象外となっている。ちなみに一般的な中国のナンバープレートは青地に白文字となるのだが、NEVは、下が緑で上が白のグラデーション地に黒文字となっているので、違いは一目瞭然となっている。

 厳しい発給規制を嫌ってNEVへ需要を流れさせNEVの普及を図ろうという政府の目論見は当然透けて見える。現状では、新車販売全体の30%ほどがNEVとされている。日本に比べればはるかに多い比率だが、広大な国土を持つ中国でもあるので、エネルギーバランスも考えて政府としては計画的な普及を図っているようにも見える。中国は世界一の新車販売台数を誇っている。そして、まだまだその数字にはのびしろがあるので、発給規制の存在は大切なのかもしれない。

 市場縮小傾向の続く日本では発給規制自体必要はないが、ICE車とNEVのナンバープレートのデザインなどを変えるのは世界的な流れとなっているので、ぜひ行うべきとも考えている。ただでさえNEVの普及で遅れている日本なのだから、日本でもNEV専用ナンバーなどを創設して購買意欲を刺激してみるのはいかがだろうか。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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