この記事をまとめると
■三菱からかつて「リベロ」という車名を持ったステーションワゴンが販売されていた
■4ナンバーモデルも同時に販売していたことでイメージがあまりよくなかった
■のちに「GT」というグレードを持つ俊足モデルも設定された
名前のとおりまさに万能だった三菱のワゴン
いまではすっかりクロスオーバーSUVの影に隠れてしまった印象のあるステーションワゴン。しかし、1990年代にはステーションワゴンブームと呼ばれるものが存在し、そのきっかけとなったレガシィツーリングワゴンに代表される俊足ワゴンが高い人気を誇っていた時代があった。
そんなステーションワゴンブームに乗ろうと、1992年5月に三菱がリリースしたのが、リベロと名付けられたモデルだった。
三菱としては、それまでランサー/ミラージュのワゴンモデルを販売していたが、一世代前のモデルをベースとし、1985年にデビューしたものを細々と販売していたこともあり、4代目ランサー/ミラージュをベースとしたワゴンモデルを新たにリベロという名前で販売し、イメージを一新しようという狙いもあったのかもしれない。
そんな車名を一新して登場したリベロではあったが、フロントマスクはほぼランサーのままとなっており、2リッターモデルが主流だったライバル車に対して、1.6~1.8リッターエンジンが主流ということもあってやや地味な印象になってしまったほか、レガシィなどは乗用専売モデルだったのに対し、リベロは4ナンバー登録となるバンモデルも併売していたことも、ややマイナスイメージとなってしまった点は否めなかった。
そこで三菱は、1994年1月の一部改良のタイミングでランサーGSRに搭載されていた1.8リッターターボと4WDシステムを搭載したホットモデルの「GT」グレードを追加。さらに、1995年9月のマイナーチェンジではターボエンジンにインタークーラーを追加して+10馬力の215馬力にパワーアップを果たしたほか、フロントマスクをランサーエボリューション(初代)と同様のものへ変更し、よりスポーティな装いに改めた。
また、同じタイミングでグリルガードを備え、ハイルーフボディとなったRVテイストを強めた「モンテ」という新グレードも追加するが、同時期にベースのランサーがフルモデルチェンジを果たしたことで古さが否めなくなってしまった。
結局リベロは2000年11月に後継車種となるランサーセディアワゴンが登場するまで継続販売が続けられ(商用モデルは2003年のランサーカーゴ登場まで販売)、1世代のみで姿を消すこととなったのだった。