テスラは単なるEVメーカーにあらず! 最終的な野望は「電力網」の構築だった (2/2ページ)

直営販売方式のテスラだから電力ビジネスを推進できる

 ただし、既存の自動車メーカーの場合、自動車メーカーは製造と卸売り業であり、その先は地域の販売と修理を行う企業が担っているため、自動車メーカーとしては、販売の商圏、さらに電気工事事業を含めた事業展開を積極的に進めることが難しい。

 一方、テスラの場合、メーカーとしてはEV専業であるため、定置型蓄電池や太陽光パネルの事業をEVと一体化させるビジネスモデルを描きやすい。販売についても、基本的にテスラは直営販売店方式を持つため、テスラ本体が中心となって電力系ビジネスを推進することもできるという組織構造にある。

 その上で、テスラが掲げる理想形は、テスラ製のEV、定置型蓄電池、そして太陽光パネルなどの発電と蓄電を、社会全体で総括的に管理・制御・運用するVPP(バーチャル・パワー・プラント)だ。従来のように、火力発電や原子力発電の発電所からの配電だけに頼るのではなく、自社開発する電力網によって電力の領域をコントロールしようという考え方である。

 直近では、北米市場での急速充電の規格について、テスラの規格が事実上の標準化であるデファクトスタンダードとなってきており、自動車メーカー各社も対応する構えだ。

 果てして、VPPの規格についても、テスラがデファクトスタンダードとなる時代は来るのだろうか?


桃田健史 MOMOTA KENJI

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