あれ? 新型アルファードって天井低くなってる! 自慢だった「広大な室内」が「狭く」なっても「安心して大丈夫」な理由とは (2/2ページ)

数センチの減少などまったく問題にならないほど快適だった

 では、室内高1360mmはいったいどこを計測したものなのか? 実際に計測してみるとちょっと複雑で、2列目席キャプテンシートのみで展開する新型のエグゼクティブラウンジシート、エグゼクティブパワーシートの真上、それも新型自慢の左右独立ムーンルーフなしの仕様の天井高が1360mmのようだ。ようだ、というのは、試乗、計測できた新型アルヴェルはすべて左右独立ムーンルーフ付きだったからだ。

 実際の各部のフロアから天井までの数値は、着座した乗員のヘッドクリアランスとは関係のないスーパーロングオーバーヘッドコンソール部分が約1300mm。左右独立ムーンルーフのシェードを閉めた状態が約1340mm、そしてシェードを開けた状態が約1360mmだったため、まだ見ぬ左右独立ムーンルーフなしの車両の室内高が1360mmと推測したわけである(開発陣にも確認済み)。

 しかし、2列目席に乗り込んだ印象では、スーパーロングオーバーヘッドコンソールのプライベートジェット感ある見映えが圧倒的で、もはや天井が先代より低い云々を感じることはまずないと思える。加えて、フロアに対するシート位置がほんの少し低まっていることも、室内高の数値だけでヘッドクリアランスのゆとりの大小を語れない部分となる。

 ちなみに先代モデルのエグゼクティブラウンジシートに身長172cmの筆者が座ると、頭上に約270mmの空間があった。新型はというと、約240mmで、その差は実質30mm程度にすぎない。下の写真のように、ハットをかぶった状態でも、天井は遥かに高く、それこそ、スーパーロングオーバーヘッドコンソールのスイッチを操作するにも、筆者の座高、手の長さでは、手を大きく伸ばさなくてはならないほど天井は高かったのである。

 よって、先代のアルヴェル自慢(!?)の室内高1400mmがカタログスペック上、1360mmに減少しても、大空間サルーンとしての価値にはまったく影響しないということだ。それどころか、プライベートジェット感覚ある豪華さ、贅沢さ、居心地の良さ、圧巻のシートのかけ心地の良さ、静かさ、快適さに圧倒されるだけである……。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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