小学校に「二宮金次郎的」銅像を建てるなら……メルセデス・ベンツ124型ミディアムクラスを推す! ちびっこに伝えるべき「最善か無か」 (2/2ページ)

3台乗り継ぐほどに完成度の高いクルマだった

 御託はいくらでも並べられるのですが、実際のところはどうかといいますと、筆者の経験で恐縮ですが、124型ミディアムクラスは3台を乗り継いだほどいいクルマでした。ざっとご紹介すると、最初は320CE、直6エンジンがDOHCになってすぐのモデルをゲット。その前に乗っていたのがポルシェ964RSだったので、不満点は車重が重いこと、ブレーキが(RSに比べて)甘いことくらい。とにかく高速走行時のフィーリングが素晴らしく、RSはおろか、その前に乗っていたポルシェ964カレラ4より優れていることに感動しました。

 ただし、シートベルトを装着しやすいように自動的にせせり出てくる機構が壊れましてね。リヤシートを外さないと直せないとかで、イヤな出費となりました。それから、ウインドウォッシャータンクのモーターとサーモがいっぺんに壊れて、これまた驚くようなパーツ代を請求されたことも。

 その次は結婚して子どもが生まれたこともあり、230TEの並行モノに乗り換えました。4気筒のベーシックエンジンでしたが、並行ゆえにインチキ触媒だったようで、思ったより走ってくれましたね。アクセルレスポンスや低速トルクが正規モノとは段違いで、しかも鼻先が6気筒エンジンに比べて軽いわけですから、家族を乗せてぶっ飛ばすのが楽しくて仕方がありませんでした。

 故障は家内が運転していた際、首都高の渋滞でオーバーヒートというのがありました。このとき、4気筒エンジンをつぶさに観察したのですが、丈夫一点張りな作りに感心したことを覚えています。結局、工場のミスでもって修理が長引くことになったため、次のE280へと買い換えました。たしか、距離は4万か5万km走っていた中古です。

 再び6気筒に戻ってみると、やっぱりノーズの重さが気になったので、サスをビルシュタインのちょっといいやつに交換。ノーマルでも高速道路の乗り心地は悪くなかったのですが、ショックを替えた途端に高速道路を走ると「同乗者は必ずまどろむ」ほどの安定性をゲット(笑)。運転している筆者ですら睡魔をこらえるのに必死なほどでした。

 ともあれ、個人的には124は銅像になって少しも変ではないとほれ込んでいる次第。校庭に鎮座しているセダンだか、ワゴンだかの銅像を指さして「最善か、無か。これ忘れちゃダメよ」とか「コスト度外視の姿勢は市場によって是正されるのだ」などとちびっ子を煙に巻いてみたいものです。


石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

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三菱パジェロミニ/ビューエルXB12R/KTM 690SMC
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好きな有名人
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