スーパーカー大王はまさかの国産小型ハッチがソウルカー! あらゆる自動車に乗りまくっているプロが「超個人的に思い入れのあるクルマ」【山崎元裕編】 (2/2ページ)

念願のスターレットを手に入れて走りまくった青春時代

 念願のスターレットが手に入ったのは、バイトを続けて1年以上経った頃でしょうか。このスターレットでオレは、本当にいろいろなことを勉強しました。自動車のメカニズムはもちろん、徐々にラリー車へと姿を変えていったスターレットではいまの何倍も走りにいったのです。クルマが手に入ってもバイト先はガソリンスタンドのままでしたから、いわゆる洗車族のハシリとして、夜中にお客さんなど来ない時間には、徹底的なミガキを入れて、購入から1年以上が経っても、そのスターレットは縦横斜めのどこから見ても、新車以上の輝きだったと記憶しています。

※写真は1300スターレットSE

 けれどもこのスターレットとの生活は、いつまでも最優先というわけにはいきませんでした。普通の友人が(当然オレを筆頭に普通でない友人もいた)就職先が決まる頃、オレはといえば何とか自動車雑誌の世界に入り込むことはできないかなどという甘い夢を描いていたのですから。自動車雑誌のバイト小僧→編集者→モータージャーナリストというコースに何とか乗れないものかと思案しているうちに時間は流れ、ようやくある編集部にバイト小僧ならぬ、クルマ磨き&運びのバイトで雇ってもらったとき、スターレットでの経験で得た技術が生きたのです。けれども仕事はガソリンスタンドの比ではないほどに忙しく、残念ながらここで愛車とはお別れすることになりました。給料も大幅に下がりましたしね。

 いまでもガソリンスタンドに行くと、たまにそこのバイト君のものと思われる、ピッカピッカのクルマが置いてあるのを見ることがあります。それを見るたびに、自分が乗っていたスターレットのことを思い出します。キミも頑張れば、自動車メディアのバイト小僧になれるかもよ。なりたくないかもしれないけど。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
突然思いついて出かける「乗り鉄」
好きな有名人
蛯原友里

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