最後のリアルアメリカンフルサイズバン「シボレー・エクスプレス」! 30年も作り続けてる日本のハイエース的存在だった (1/2ページ)

この記事をまとめると

■アメリカを代表する商用バンとしてフルサイズバンがある

■いまや生粋のアメリカ製フルサイズバンはシボレー・エクスプレスのみとなった

■古き良きアメリカ車の流れを残すエクスプレスにはできる限り長いラインアップを望む

アメリカらしさを感じさせてくれるフルサイズバン

 日本を代表するキャブオーバータイプとなる商用バンといえば、トヨタ・ハイエースといえるだろう。日本だけでなく、新興国を中心に日本から中古車が輸出されるなどしてまで世界でも大活躍している。以前中東のドバイを訪れたとき、日本から仕入れた右ハンドルでATのハイエースバンの左ンドル化とMT化を行う工場を見学する機会に恵まれた。複数の工場が軒を並べており、それだけ中古ハイエースバンの市場があることを感じることができた。

 日本を代表する商用バンがハイエースならば、アメリカを代表するのはシボレー・エクスプレスといえるだろう。

 かつてのシボレー・アストロや、いまもアメリカ国内で販売されているクライスラー・パシフィカといったアメリカンミニバンが、あれだけボディサイズが大きいのに“ミニバン”と呼ばれることに違和感を覚えた人もいるだろうが、現行シボレー・エクスプレスで全長が5700~6200mmもある、アメリカンフルサイズバンに対してサイズが小さいので、“ミニバン”と呼ばれているとなれば納得していただけるだろう。

 ハイエースよりはるかに大きなボディサイズに大排気量V8エンジンを搭載するのが、フルサイズミニバンの基本。かつてはエクスプレス以外にも、フォード・エコノラインやダッジ・ラムバンがあったのだが、エコノラインはバンが2014年に、ラムバンは2003年に販売を終了している。

 その後、欧州で欧州フォードが展開していたLCV(ライト・コマーシャル・ビークル)となる、“トランジット”がエコノラインの後継モデルとしてアメリカ国内でもデビューした。

 ラムバンの後継としては、しばらくメルセデスベンツブランドのLCVとなるスプリンターのOEM(相手先ブランド供給)車として、“ダッジ・スプリンター”がラインアップされたが、その後2013年より、フィアットのLCVとなるデュカトのOEMとなる“ラム・プロマスター”がラインアップされている。

 筆者としては、欧州LCVに入れかわることにはじめは強く抵抗をしめしていたのだが、そのうちアメリカの風景に溶け込んでくるようになると受け入れるようになった。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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