ちょっと語れれば「ツウぶれる」こと間違いなし! セレブに愛されたいぶし銀的「英国車」ジェセン・インターセプターとは (2/2ページ)

さまざまなタイプが販売され復刻も果たす人気っぷり

 そして、1974年にはコンバーチブルがラインアップしたのですが、翌1975年にはコンバーチブルボディにわざわざパーマネントルーフを取り付けたハードトップクーペを発売しています。従来のクーペに飽き足らず、手間をかけてまでバリエーションを増やすあたりはじつにイギリス人らしい方向性といえるでしょう。

 結局、インターセプターはMk.I/II/IIIまでシリーズが続き、6408台というジェンセン最大のヒットモデルとなりました。ハイパワーバージョンのSPも232台をリリースするなど、ジェンセンの目論見は大当たりとなったのです。これには、アメリカのディストリビューター、シェル・クベールの辣腕も大いに貢献したようで、氏はレッド・ツェッペリンのドラマー、ジョン・ボーナムやバイクレーサーのフィル・リードといったセレブを相手にじゃんじゃん売りつけていたようです。

 が、当時の評判としては「すぐ壊れる」というもの(笑)で、キャブやATなどの持病は最後まで改善されることはなかった模様。わが国にも、一時コーンズを通して正規輸入されていたことがあるのですが、高価すぎて売れ行きはさして良くはなかったとのことです。

 それでも、インターセプターはジェンセンなきあと(1976年にオイルショックの煽りを受けて倒産)の1988年に奇跡的な復活を遂げています。これは、パーツの製造権を譲り受けていた元の下請け工場が資本を募って作り上げたもの。

 さらに、その後2007年にはこれらの権利を買ったクロプレディ・ブリッジ・カーズという自動車販売会社がインターセプターSというリバイバルモデルを50台限定で発売するなど、インターセプターの潜在的な人気は凄まじいものがあるようです。

 現在でも、クロプレディ社ではインターセプターのパーツや中古車を取り扱い、旧来のオーナーから絶大な信頼を得ているとか。

 生産された台数や期間にかかわらず、インターセプターのようにキャラが立っていると、こんなふうにリバイバルされたり、パーツベンダーが生き残っていたり愛され続けるものですね。1960年代のイギリス車は、やっぱり興味が尽きないものです!


石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

文筆業

愛車
三菱パジェロミニ/ビューエルXB12R/KTM 690SMC
趣味
DJ(DJ Bassy名義で活動中)/バイク(コースデビューしてコケまくり)
好きな有名人
マルチェロ・マストロヤンニ/ジャコ・パストリアス/岩城滉一

新着情報