レクサスLBXは成功例の少ない「高級小型車」の壁を打ち破れるか? かつて「残念な結果」に終わった国産3台を振り返ってみた (2/2ページ)

こだわり満載だったが爆発的ヒットにはならず

マツダ・ベリーサ

 マツダの上級コンパクトカーとして2004年6月に登場したベリーサは、2代目デミオと同じプラットフォームを使用して誕生したモデルだ。上級モデルということもあって、エンジンは1.5リッターのみのラインアップとなっており、ミッションはデミオに存在していた5速MTは用意されず4速ATのみとなっていた。

 もともとフォード・フィエスタともプラットフォームを共有するだけあって、デミオでも骨太な走り味が好評となっていたが、ベリーサはより欧州車らしい味付けに変更されていた点も魅力のひとつ。

 また、インテリアにはピアノブラックなどを多用して高級感を演出し、このクラスの車両としては希少な本革シートもラインアップ。さらにウインドウガラスは遮音性の高い厚いものが採用されているうえに、ドアまわりのウェザーストリップはドア側と車体側、両方に備わって気密性を高めるなど、大小さまざまな手法で質感を高めていた。

 その結果、4代目デミオ(のちのMAZDA2)が登場してもしばらく販売されるほどのロングセラーとなり、多くのユーザーに愛される1台となっていたのだ。

スバル R1

 ボディサイズの上限が決められている軽自動車は、ほとんどの車両でそのサイズいっぱいのボディを持ち、限られた大きさの中でいかに広く快適な空間を作り上げるかがテーマになっている。

 しかし、2005年1月に登場したスバルR1はあえて全長を軽自動車枠よりも短く設定し、コンパクトな2+2のマイクロクーペとして登場した。

 ターゲットとしたのは子育てが終わったシニア世代となっており、あくまでフロントシート重視で、リヤシートはエマージェンシー用もしくは荷物スペースと割り切ったもの。その代わりシートにはレザーとアルカンターラを使用した豪華なものを設定するなど、質感をアップさせる方向に力を入れていた。

 搭載エンジンは当時のスバルが誇る直列4気筒の660ccエンジンが設定されていたが、当初はDOHC仕様のみ(のちにSOHCやDOHCスーパーチャージャーも追加)となっていた点も上級感を重視していたからかもしれない。

 実際のところはそのコンセプトは軽自動車ユーザーにはなかなか受け入れられなかったようで、およそ5年間の間に1万5000台ほどしか販売されなかったのは残念だった。


小鮒康一 KOBUNA KOICHI

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愛車
日産リーフ(2代目)/ユーノス ロードスター/マツダ・ロードスター(2代目) /ホンダS660/ホンダ・オデッセイ(初代)/ 日産パルサー(初代)
趣味
長距離ドライブ
好きな有名人
ザ・リーサルウェポンズ

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