極上中古が出てきたら「30年来の相棒」への愛も揺れる4台! あらゆる自動車に乗りまくっているプロが「超個人的に思い入れのあるクルマ」【すぎもとたかよし編】 (2/2ページ)

1980〜90年代のクルマはどれもデザインが秀逸!

ヨーロッパ市場のトップを目指した先進デザイン

 で、じつは3台目も同じく前澤氏が手がけたクルマ……というと「あ、Z32型フェアレディZでしょ?」なんて言われそうですが、そこは超個人的に、意外や4代目のパルサーだったりします。

 このN14型パルサーといえば、話題の9割以上がGTI-Rの劇的な走りと相場が決まっているのですが、骨太でカタマリ感に溢れる、まさに「ミニ・プリメーラ」と呼べるスタイリングこそが魅力だと僕は思っています。

 とりわけ、前澤氏が「欧州市場におけるトレンドリーダーを目指した」と語った5ドアハッチバックのデザインは出色。3ドアではなく4ドアセダンをベースにすることで、大きなリヤウイングによるスポーティさと同時に、居住性の高さも感じさせる絶妙なバランスを持っていました。

 プリメーラと同じく、とくに赤いボディはよかったなあ……。

ホンダデザイン黄金期を支えた

 最後は、ホンダのクイントインテグラです。

 1980年代半ば、ホンダデザインはひとつのピークを迎え、ワンダーシビックなどの名車を続々と輩出。当時の特徴的なリトラクタブルライト顔では、デートカーとしてヒットしたプレリュードやアコードもよかったのですが、若干コンパクトな分、適度な凝縮感を得たクイントインテグラの存在感に惹かれました。

 ビッグキャビンにスリムなボディは大型のプレスドアによってプレーンな表情を獲得、なかでも広くラウンドしたリヤガラスを持つ5ドアの腰高なプロポーションは抜群でした。人気のボディ色はホワイトでしたが、レッドやブルーメタリックもよかった!

 初代シティなども手がけたチーフデザイナーの在間浩氏は、まさに「ヤング・アコード」をテーマに開発したといいます。その意味では北米市場をメインに据えていたようですが、その機能的スタイルからは欧州車的な合理性も感じられるのが面白いところです。

 まあ、当時のホンダ車はボディがユルユルだったらしいので、いま見つかっても厳しいかなあ……。

 以上、僕の「超個人的な思い入れのあるクルマ」は、どれも30年以上前のクルマばかりです。でも、僕は決して旧車マニアじゃなく、単にFFジェミニを含めた5台のデザインを越えるクルマがそれ以降見当たらないなぁと。「そんなのお前だけだ!」と突っ込まれそうですが、これって結構大きな問題だと僕自身は思っているのです。


すぎもと たかよし SUGIMOTO TAKAYOSHI

サラリーマン自動車ライター

愛車
いすゞFFジェミニ4ドア・イルムシャー(1986年式)
趣味
オヤジバンド(ドラムやってます)/音楽鑑賞(ジャズ・フュージョンなど) /カフェ巡り/ドライブ
好きな有名人
筒井康隆 /三谷幸喜/永六輔/渡辺貞夫/矢野顕子/上原ひろみ

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