暑くて悶絶どころかヤケドまであるぞ! 真夏の炎天下に置かれたクルマに乗り込むときにダメージを受けない対策とは (2/2ページ)

JAFがちゃんと実験した結果はこれだ!

 さて、あとは高温になった車内のムンムンとした熱をどうすればはやく冷やせるのか。

 これにはさまざまな説があり、たとえば運転席のドアと対角線上にある後席左側のドアを開けて、運転席のドアをウチワのようにバタバタと動かし、風を発生させて熱気を追い出すという方法。これは実際にトライしてみましたが、ドアをバタバタさせるのは予想以上に力が必要で、35度以上の炎天下でそんなことをしているうちに、自分が熱中症で倒れてしまいそうになり、あえなく断念。

 その間に子どもを外で待たせたり、幼い子なら抱っこしながらやるなんてとても無理なので、この方法はお勧めしません。

 ではどうすれば? という答えは、JAF(日本自動車連盟)が2016年に行ったユーザーテストで判明していました。このテストは、「同じ車両を5台用意して、車内温度が55度になったタイミングで5通りの方法を試し、どれがもっとも車内温度を下げることができるか」、というもの。

 その結果、「エアコンは使わず、助手席の窓を開けて運転席のドアを5回開閉する」方法では47.5度まで低下。「エアコンは使わず、市販の冷却スプレーをシートに10秒ほど吹きかける」方法では、3分で50.1度まで低下。「窓は開けず、エアコンの温度設定をLo、外気導入にする」方法では、10分で29.5度に低下。

「窓は開けず、エアコンの温度設定をLo、内気循環にする」方法では10分で27.5度に低下。そして「窓を全開にし、エアコンをLoに設定して外気導入で走行。2分後に窓を閉め、エアコンを内気循環にして3分走行する」方法では、5分で28度まで低下しました。

 ということで、もっとも早く、もっとも温度を下げることができたのは、「窓を全開にし、エアコンをLoに設定して外気導入で走行。2分後に窓を閉め、エアコンを内気循環して3分走行する」方法でした。とにかく、触ると危険なところの熱さえ大丈夫だと判断できたら、さっさと走っちゃう。というのがいちばん良いということですね。もし、雨の日などで窓を全開にすることができないなら、「エアコンを内気循環でかける」のがベターです。

 最近はハンディタイプの扇風機などを持ち歩く人も増えていますので、車内でも有意義に活用して、猛暑日のドライブを少しでも快適にしてくださいね。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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