仕事人から愛される名手! 日産のトラック「アトラス」の魅力を紹介 (2/2ページ)

使いやすい1.5トンクラスも充実しているのがアトラスの強み

日産アトラスの歴史【小型(1.5トン)】

初代(1982~1992年)

 アトラス1.5トンクラスの初代は「アトラス100、150」との車名で1982年にデビューしました。初代の登場に合わせ、日産がラインアップするキャブオーバートラックは2トンクラスも含めてアトラスに車名が統一されています。

 初代の特徴は、ディーゼル車にいまや懐かしい装備ともいえるOD(オーバードライブ)付き5速ミッションを備えるなど、運転操作性を向上させるなどを行い、運転手の疲労を軽減させることに力を入れたこと。

 また、トータル25種類と豊富なモデルバリエーションを用意していたことなどが挙げられます。初代は1986年にマイナーチェンジを実施し、外観デザインおよびディーゼルエンジンを変更。

 1990年の一部改良ではガソリンエンジンを変更しています。

2代目(1992~2007年)

 初代登場から10年ぶりにフルモデルチェンジで登場した2代目アトラス。初代同様、車名は「アトラス100、150」となります。

 先代モデルからとくにドライバーに対する快適性向上をテーマに開発された2代目は、室内スペースとフロアスペースを拡大。合わせてドア開口部面積の拡大やステップの高さ低減も実現しました。

 また、車体剛性を高めたことや遮音材を効果的に配置したことで静粛性も向上。パワーウインドウやフルオートエアコンなど装備も充実させたことでドライバーの快適性が向上しています。

 2代目は1995年にマイナーチェンジを実施して外観デザインを変更。さらに、1999年にもマイナーチェンジを行い、外観に加え内装のデザインも変更されました。

 興味深いのが2代目はいすゞにOEM供給されていたこと。4代目以降はいすゞからOEM供給されているアトラスですが、ひと昔前までは逆だったことは興味深いことですよね。

3代目(2007~2021年)

 日産自社開発トラックとして最後のモデルとなった3代目。クラストップレベルの最小回転半径を実現したことや居住性の向上、また収納スペースを充実させるなど仕事の効率を高めることをテーマに開発されました。

 3代目のパワーユニットは、新開発ZD30DDTi型ディーゼルエンジンとQR20DE型ガソリンエンジンを搭載。トランスミッションに日産初となる6速AMTと6速MTを組み合わせ、スムーズな動力性能と燃費性能を高めることを実現しています。

 同車は2010年、2013年、2015年にディーゼルエンジンの燃焼効率を改善するなどの一部改良を実施。2019年に4代目となるアトラス・ディーゼルが販売開始されたことで、ガソリンエンジン車のみが2021年まで販売を続けました。

4代目(2019年〜)

 2トンクラス同様、いすゞ・エルフのOEMモデルとしてデビューした4代目。デビュー当時は「アトラス・ディーゼル」として販売された4代目は、2019年から適応が開始される「平成28年排出ガス規制」に全車対応していることが大きな特徴です。

 搭載されるパワーユニットは新開発の4JZ1-TCS型3リッターディーゼルエンジン。このエンジンにAT限定免許に対応した先進のシーケンシャルマニュアルトランスミッションを5速MTとともに採用。駆動方式もシングルキャブ、ダブルキャブともに2WDと4WDを用意しています。

 同車は2021年に一部仕様向上を実施。「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」、「VDC(ビークルダイナミクスコントロール)」、「LDW(車線逸脱警報)」を全車に標準採用したほか、全車にLEDヘッドランプ、Bluetooth対応オーディオを標準採用しました。

日産アトラスが中古車市場で人気な理由

 アトラスの中古車は現行モデルこそまだ市場に出まわっていませんが、数多くの車両が販売されています。

 両クラスとも初代の中古車はありませんでしたが、1.5トンクラスは2代目から3代目、2トンクラスは3代目から5代目が中古市場で販売中。価格は年式というよりは仕様によって大きく異なるのが特徴。キッチンカーなどの特装車は価格が高くなっています。

 アトラスが中古車市場で人気を博しているのはなんといってもバリエーションが豊富なことが大きな理由でしょう。同車の歴代モデルは多彩な仕様があることを売りに発表してきましたが、OEM供給となったいまでも幅広いニーズに対応できるモデルが揃っていることで中古車市場でも高い人気を得ています。

まとめ

 数ある日産車のなかでもアトラスは知らない、という方も少なくないでしょう。現在はいすゞからOEM共有を受けているアトラスですが、以前は自社開発を行っていたり、一時期は三菱ふそうから車両を提供されている時期もありました。

 乗用車はもちろんですが、日産が販売するトラックにも紆余曲折を繰り返しながら販売されてきたことがわかりました。


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