この記事をまとめると
■中国ではBEVなどへの減免措置期間が延長された
■コロナ禍などの理由もあり購買意欲を刺激する狙いもあるようだ
■日本が後になって市場に新車を投入してもライバルの勢いに負けてしまう可能性がある
中国ではBEV等の減免措置期間が延長された
中国のテレビニュースを見ていると、7月6日に中国国内で起こっていたBEV(バッテリー電気自動車)の乱売合戦について、政府が仲立ちして乱売を自粛する協定に大手16社が署名する形で、ヒートアップしている現状がクールダウンに向かうことになったというトピックが報じられた。ただ、その直後に白紙撤回されたとのことである。
新型コロナウイルス感染予防対策として、厳しいロックダウンの多発などにより深刻なダメージを受け、中国国内の、とくに経済的な混乱ぶりがよく取り上げられている。経済的にダメージを受けていることもあり、新車販売もBEVに限らず乱売傾向が際立っているのである。たとえば中国でも新車購入時にはローンを利用するケースが多いようだが、金利0%はほぼ当たり前のようになっていたりする。
BEVの販売台数が多い中国なので、ICEの乱売が目立つのはなんとなくイメージできるものの、BEVでもすでに乱売合戦が始まっているというのは、日本国内ではなかなか信じられないことである。
中国政府は、新エネルギー車(NEV/BEV、FCEV[燃料電池車]、PHEV[プラグインハイブリッド車])について、日本での自動車取得税に相当する、車両購置税の免除措置を当初2022年末としていたのを2023年末まで延長し、さらに2024年1月1日から2027年末まで車両購置税の減免措置を行うことを発表している。
現状では、中国国内における新車販売のなかでのNEVの販売比率は30%前後で推移しており、政府としては「すでにインセンティブを設けるような特別な存在ではなくなった」としていたのだが、景気低迷が続き、新車への購買意欲を刺激する意味でも免税措置の延長及び減免措置期間設定を行ったようである。