「店内にクルマがあるなんて汚い」ってマジか! いま新車ディーラーから展示車が消えつつあるワケ (2/2ページ)

展示車を売ることは特例でもないとあまり行わない

 事情通は別の角度からも展示車や試乗車はお客へは売らないようだとして次のように話す。

「じつは、聞いた話では展示や試乗車として発注するときには一般のお客への販売用に対して仕入れ価格がかなり割安になっているそうです。割安で仕入れた展示&試乗車ですが、中古車として再販するときには、一般的なメーカー小売価格ベースで値付けを行いますので、新車での販売時に比べ少々割安な中古車価格で販売しても、得られる利益は新車販売より格段に良いとのことです。そのためもあるのか、いまどきの新車ディーラーは中古車販売に力を入れています」。

 6月21日に新型アルファード&ヴェルファイアがデビューした。すでにほとんどのディーラーで年間ベースでの初期配車台数を売り切っているところがほとんどで、店頭へ行くと“新規受注停止中”となっており、受注再開までは1年以上かかるのではないかとも言われている。そのなかでも、これから試乗車が用意されるとのことだが……。

「新型プリウスのときと比べると、全店舗とまでは行きませんが、ディーラーによっては展示車や試乗車を早めに置いている店舗が目立ちます。販売現場で話を聞くと『当然、展示車でもいいから売ってくれ』というお客が出てくるでしょう。そのため“最終的には展示車も販売にまわる”と話すセールススタッフもいます」(事情通)

 過去との大きな違いは、ディーラーが勝手に展示車を納車することはまずないようだ。ただ、昨今の納期遅延を背景に、人気車でなかなか納車が進まないケースなどが発生した場合には、あくまでお客の希望として販売するのが令和流ともいえるだろう。もちろん、展示や試乗車では割安で仕入れることができるケースであっても、メーカー希望小売価格ベースで販売されるので、一般客向け車両よりもディーラーにとっては旨味の大きい商売になるといえよう。

 結論として、日本メーカー系正規ディーラーでは展示車というものは少数となっており、試乗車として用意し、一定期間使用後に中古車として再販するのが一般的。そして、お客自らが希望したケースに限って、少なめとなった展示車を販売することはある(たまにまとめてセールすることもある)ようだ。

 もちろん、展示車を販売するときには、内外装の清掃はもちろん、部品の欠品など不具合がないかどうか、そしてバッテリー交換などのチェックが行われた後に納車されるのも一般的であるようだ。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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