メルセデスも日産も北米で売るEVの充電に「テスラ式」を採用との報道! 日本の「CHAdeMO」はガラパゴス化するのか? (2/2ページ)

本来であれば欧州もテスラかCHAdeMOを導入すべきだ

 なおかつ、米国と欧州では、CCSといっても充電口の形状が異なるので、一見同じ方式に見えるが、コネクターの形状としては別仕様となる。北米では、充電器が設置されていても、故障などによって利用不可能な個所が多いともいわれる。

 そうしたなかで、北米は欧州と別のCCSであったこともあり、テスラ方式へ統一する決断をしたのだろう。それは、正しい判断だ。それに習い、本来は欧州もテスラかCHAdeMOかに習うべきではないだろうか。

 そのうえで、世界で唯一、VtoH(ヴィークル・トゥ・ホーム)に対処しているのはCHAdeMOのみだ。ほかの方式は充電しかできず、車外への給電機能は持たない。これを実現するには、通信線を専用に持つ必要がある。つまり、CHAdeMOかテスラ方式でなければ、車外への給電が難しいということだ。そしてテスラでさえ、VtoHへの対応はできていない。そしてメルセデス・ベンツは、輸入車で唯一CHAdeMOによるVtoHを日本市場で実現する輸入車である。

 すでに世界中で猛暑と干ばつ、大規模山林火災による空気質の汚染、洪水などが深刻な状態で頻発している。さらに電力の逼迫は、世界の日々の課題となっていくことが必至だ。電力確保のそれに対処できるのは、いまのところCHAdeMOだけである。

 単なる陣取りゲームのように充電規格の星取りを騒ぎ立てるのは、局所しか見ていない視野の狭さである。EVを普及させる意義が、単に脱二酸化炭素による気候変動の抑制だけでなく、電力の安定供給のためでもあることを明確に意識すれば、充電方式の選択肢は限られ、また、もはや他の動力のクルマが意味をなさなくなっていく未来を想像することができるはずだ。


御堀直嗣 MIHORI NAOTSUGU

フリーランスライター

愛車
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趣味
乗馬、読書
好きな有名人
池波正太郎、山本周五郎、柳家小三治

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