ドライバーが周辺監視を怠るのはNG
ACCなどの先進運転支援システムは、自動運転でいうとレベル2であって最終的に周辺やシステム作動状況を監視するのはドライバーの役割だ。昨今のACCが非常に高性能で、信頼性も高いのは理解できるが、センサーで検知できないような障害物もあり得ると意識しておくことは重要だ。
NEXCO中日本が公開している映像では、表示板を跳ね飛ばして、あわてて車線変更をしているようなケースもあった。映像のなかでは、周囲のクルマと接触するような二次災害には発展していなかったようだが、焦って操作すると予想外の挙動をしてしまいがちで、大きな事故につながる可能性もある。
ACCを運転支援システムとして利用するのはいいが、完全に機械に任せてドライバーが周辺監視を怠るというのはNGであることを、この映像は教えてくれる。
NEXCO中日本の公開している映像には、ほぼノーブレーキで工事車両に追突してしまっているであろう事故シーンも収められている。
ACCを搭載しているクルマであれば、ほとんどの場合にAEBS(衝突被害軽減ブレーキ)も備えていることだろう。そのため本線上に工事車両が止まっているようなシチュエーションであれば、AEBSが作動するため巡航速度のまま衝突するといった事故は起きづらいはずだ。
こうした事故については、ドライバーがスマートフォンなどを注視してしまう、「ながら運転」によって起きていると考えられる。
計算すればわかるが、90km/h走行時には、1秒間で約25mの距離を進んでしまう。「ながら運転」は大きな事故につながってしまうのだ。
とくに先進運転支援システムが搭載されているクルマでは「短い時間であればスマートフォンを見ても大丈夫」と思ってしまうかもしれないが、走行中にはそうした油断は禁物。
ACCなどの先進運転支援システムは、たしかにドライバーのミスをカバーしてくれる機能ではあるが、現状のシステムにおいては頼りすぎるのも事故の元といえるレベルであることを肝に銘じておきたいものだ。