インチアップ時はタイヤ選びも大事
外径を合わせるためには必然的に扁平率を落とすことになる。そうなるとタイヤのサイドウォールの高さが低くなる。すると当然乗り心地はハードな方向に行きがち。
サイドウォールが低くなることでハンドル操作に対してクルマの動きがシャープになるメリットもあるが、乗り心地的には基本的に厳しくなる。インチ数やサイズにもよるが、扁平率が40以下になってくるとややハードに感じやすいだろう。
そんな低扁平率の大径タイヤは往々にして高価だ。インチアップするとほぼ間違いなくタイヤの価格も高くなるのでランニングコストも高くなってしまう。
ホイールも大きくなるので、アルミであってもやはり重くなる傾向にある。そのデメリットも見逃せない。純正ホイールは重めなので、そこからインチアップして軽量アルミホイールにすればまだ良いが、ドレスアップ系のホイールだったり、スポーツ系ホイールからのインチアップだとホイールとタイヤの合計重量も重くなってしまうことが多い。
そうなるとバネ下重量の増加で足まわりの動きが悪くなる。さらに、タイヤとホイールがまわり出すとき、止めようとするときの回転慣性が増えるので加減速性能も悪化する。
ほかにも、インチアップしたせいでブレーキローターが小さくスカスカに見えてカッコ悪いとか、さまざまなデメリットはあるが、それでも大径ホイールだけが持つ雰囲気やスタイリングは魅力的。
タイヤ外径に気を配り、乗り心地の悪化はサスペンションセッティングやアライメント調整で合わせ込めば多少のデメリットは消すことができる。そういったトータルでの合わせ込みでインチアップを楽しんでもらいたい。