この記事をまとめると
■乗用車の車検期間は初回3年、2回目以降は2年ごとになっている
■自家用・運送事業用・レンタカーなど、車種別に車検有効期間は異なる
■これまでも技術の進歩に合わせて車検の有効期間は延長されてきた
車種によって車検有効期間はどうして異なる?
日本国内で公道を走行するクルマを所有していると、数年に一度車検を受けることが義務付けられているのはご存じのとおり。
その根拠となっているのは道路運送車両法。車検や定期点検が定められている理由は、『自動車の安全性の確保や公害の防止、その他の環境の保全』となっている。
そして、多くのドライバーは、車検の有効期間は初回が3年、以降は2年毎と認識していることだろう。いまどきのクルマは故障も少なく、新車購入から3年での車検は早すぎるという声もある。
しかし、初回3年という車検有効期間はすべてのクルマに共通というわけではなかったりもする。自家用乗用車(登録車、軽自動車)は初回の車検有効期間が3年であるが、自家用であっても、貨物車は初回の車検有効期間が1~2年となっている。さらにレンタカーや運送事業用といった用途に合わせて、それぞれ車検有効期間が自家用よりも短めに定められている。
たとえば、レンタカーとして乗用車を登録した場合、初回は2年、以後は毎年車検と定められている。同じく乗用車を運送事業用(タクシーやハイヤー)として登録した場合は、初回からずっと毎年車検(有効期間1年)となる。
その一方で、通常タイプの霊きゅう車は初回からずっと2年毎の車検有効期間に設定されているなど、用途によって意外に細かく車検の有効期間は決められているのだ。
こうした違いは、そもそも車検の有効期間が劣化の進行具合等を踏まえて定められているからだ。自家用乗用車の初回3年が機械的な耐久性や故障率から妥当かどうかはさておき、レンタカーや事業用と比べると長めに設定されているのは事実だ。
ちなみに、自家用乗用車の車検有効期間については、昭和の時代は初回2年となっていた。しかし、1983年(昭和58年)に初回車検が2年から3年に延長され、現在の有効期間となっている。
車検の有効期間を延長した理由として、クルマが壊れづらくなったというものが挙げられていたと記憶しているが、あれから40年が経ち、さらに乗用車の機械的な信頼性が高まっていることを考えると、そろそろ車検有効期間の延長を再考してもいいのかもしれない。
車検の有効期間を延ばすことは整備業界から反発必至ではあるが、昨今の車検における不正行為の報道からすると、整備業界のリソース(人員)が不足しているために車検整備に対応しきれていない面もあるはずで、その点からも車検の有効期間延長を議論すべきではないだろうか。