しょせんニセモノじゃん……とか言うけど気持ちよければよし! とても「疑似」とは思えない「快感エキゾーストサウンド」をもつクルマ4選 (2/2ページ)

スポーティな音を奏でるPHEVも!

 3台目は、PHEVのスポーツカーとして2014年に誕生した、BMW i8。エクステリアはやる気マンマンの正真正銘スポーツカーなのに、1.5リッター3気筒エンジン+モーターのハイブリッドで、外部充電が可能なバッテリーを搭載しています。ドイツ本国にてi8を担当したデザイナーにも話を聞きましたが、空力性能にはとことんこだわったとのこと。

 それだけに、走りの方でも満足してもらいたいとの想いは強かったのだと感じます。

 でも3気筒エンジンでは、普通ならそれほどいい音は期待できません。そこで採用したのが、リヤバンパー下部に設置されたスピーカーによって、アクセル開度やエンジン回転数にリニアなサウンドを流すという機能。シフトダウンした時のバブリングの音も、スポーツカーを操っているという気分をしっかり高めてくれます。

 4台目は、もはや1億円以上の価値があるというヴァイオリンの名器「ストラディヴァリウス」の音色との共通点があることを2012年に発表した、イタリアのラグジュアリーブランド、マセラティのSUVであるレヴァンテ。

 当時の調査では、マセラティの加速音とストラディヴァリウスの演奏音には、「迫力があり、創造力をかき立てる(主観評価)」「脳を活性化させる効果(客観評価)」「音響特性として、明瞭な整数次倍音がある(物理評価)」ことがわかったといいます。イタリアの偉大なテノール歌手、ルチアーノ・パヴァロッティがマセラティを愛してやまなかったというのも、やはりエンジンの音色の虜になったからだったのかもしれないですね。

 そんなマセラティで近年、販売台数の大多数を占めているレヴァンテもまた、エンジンサウンドには並々ならぬこだわりが注がれています。低速では低く迫力ある音にチューニングされ、加速音ではだんだんと高音に引き上げられてカーンという乾いた音色が美しく響きます。SUVなのに、まるでレーシングカーを操っているかのように、テンションがアップ。

 マセラティは「我々が世に送り出す電動自動車は、電動駆動車が持つ利点に加え、運転の歓び、快適性、パフォーマンス、マセラティならではのサウンドを兼ね備えたものとなります」と宣言しているので、BEVとなったときのサウンドにも期待しちゃいますね。

 ということで、走る楽しさや満足度を高めるため、メーカーが本気で開発にのぞんでいる擬似サウンド。食わず嫌いをしている人も、ぜひ一度体験してみてはいかがでしょうか。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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