また、アメリカ生産モデルの試乗車では、“MADE IN USA”という表記を探すのも筆者の楽しみのひとつだ。ジープではフロントやリヤ、サイドなどガラスそれぞれに、これでもかと“MADE IN USA”とプリントされている。運転席側ドアの内側のコーションプレートにももちろん“MADE IN USA”と書かれている。今回試乗したモデルでは、リヤラゲッジドアの内側にプレートがあり、そこには星条旗の横に“MADE IN THE USA”と書かれているだけではなく、“DEVELOPED IN AUBURN HILLS,MI(開発したのはミシガン州オーバーンヒルズ)”や、“BUILT IN TOLEDO,OH(生産したのはオハイオ州トレド)などとも書かれていた。アメリカ車だけでなく、アメリカのすべてをこよなく愛する筆者には、このような表記を見つけたときの感動は表現できないほど大きいものとなる。
このような表記はGM(ゼネラルモーターズ)車やフォード車でも見かけることができるが、ここまで“MADE IN USA”だらけなのはクライスラー系でもジープブランド車がとくに顕著なように見える。GMやフォードも含め、多くのアメリカンブランドはほぼ“北米限定”ブランドと言っていい存在となっている(中国でビュイックが目立っているぐらい)。そのため、使う人はほぼアメリカ人(ほかにカナダ人やメキシコ人)となるので、あえて愛国を強烈にアピールする必要はないともいえよう。ただし、そのなかでジープランドは、数少ないというかほぼ唯一、グローバルに売れているブランドともいえる。そのためもあって、“USA”を強調しているのかもしれない。