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スーパーカーだらけのなか「俺だけセダンかよ」……からの踏んだ瞬間「最高」! あらゆる自動車に乗りまくっているプロが「超個人的に思い入れのあるクルマ」【石橋 寛編】 (2/2ページ)

スーパーカーだらけのなか「俺だけセダンかよ」……からの踏んだ瞬間「最高」! あらゆる自動車に乗りまくっているプロが「超個人的に思い入れのあるクルマ」【石橋 寛編】

この記事をまとめると

■筆者にとって特別な思い入れのあるクルマをピックアップ

■バイトとして入った出版業界でE28型M5の楽しさに目覚めた

■不思議なことにこれまでMモデルは愚かBMWすら所有したことがなかった

編集部のバイトとして広報車に乗りまくった

 特別な思い入れのあるクルマを思い浮かべると、仕事柄たくさんありすぎて戸惑うほどです。自分史上で最高速をマークしたFD3Sや、血液が逆流するかのような鬼加速だったマクラーレンF1、はたまたシトロエンXMの脳天がとろけるような乗り心地だっていまも忘れられません。ともかく1台に絞り込むのは至難の業ですが、ここは筆者がクルマ雑誌の業界入りをして最初に衝撃をくらったクルマとさせていただきましょう。

 モーターファン誌(三栄書房)でアルバイトを始めるまで、所有したことのあるクルマといえば、ローバー・ミニとかルノー5アルピーヌといった、どちらかといえば庶民的なモデルでした。ブローカー的にクルマの売買をかじっていたので、稼ぎでスポーツカーを買うとかカスタムなどすればよかったのかもしれませんが、バカだったのでしょうね。ほとんど夜遊びやらデートに費やしていたのです。

 で、モーターファンのバイト小僧として各メーカーの広報車をピックアップ&返却の日々が続いていたのですが、なかなか読者の皆さんが期待するようなスペシャルモデルに触れるチャンスはありませんでした。

 採用面接こそ谷田部に連れていかれ、1985年と1986年のポルシェ911を試運転し、どっちが新しいクルマか? などと聞かれたりしましたが(ここでブローカーの真似事が奏功したのはいうまでもありません)、採用後は国産のどうでもいいクルマしか運転させてもらえませんでした。

 そんな社会をナメた小僧ですから、ちょいちょい事故も起こしていましたね。脱線しますが、某M社のカー・オブ・ザ・イヤー受賞車を返却する際、フルブーストを試してみたくなり、狭い路地でガードレールに突っ込んじゃったとか(いわゆる広報チューンというやつで、市販車より相当パワーが上がっていたはずです)、旧ターンパイクの路面が凍結していたのでにわかドリフトを楽しんでいたら法面に乗り上げて廃車になっちゃった(運悪く太い切り株があり、そこに乗り上げたためエンジンがボンネットを押し上げてしまいました)など、バイトのわりに派手なクラッシャーに(笑)。

 モーターファン誌は一流のベテラン編集部員揃いだったので、こっぴどく絞られたこと、いまだに夢でうなされるほどです。

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