プロにはどう見えた? 大学の自動車部が完全イコールコンディションで闘う新たな大会「フォーミュラジムカーナ」で5人のプロドライバーに印象を聞いた (2/2ページ)

学生たちとのコミュニケーションはプロたちも新鮮!

津川信次選手

 2021年も含め、10回も全日本ジムカーナでチャンピオンを獲得し、現在もGRヤリスで参戦を続けている津川選手。全日本ジムカーナ参戦歴は30年以上だ。当日はデモランに実況席での解説にと大忙しの様子であった。

「チーム戦という形でさまざまな要素が含まれるこのカテゴリーは、いままでのジムカーナにないものが沢山ありますね。個人戦のジムカーナと違って必ず速い人だけが勝つというわけではないので、チームとしての戦略が必要なのが新鮮です。また、学生たちは競技に対して真剣かつ貪欲で、「よりクルマを速く走らせるには?」というアドバイスを求めてきて、その返事を素直に聞いてくれているし、しっかりと理解して受け取ってくれている様子です。今後は出場校をどう決めるかをより明確化し、競技とイベントのバランスをどう取っていくかが重要になってくると思います」

河本晃一選手

 日産自動車で車両開発や実験に努めつつ、長年全日本ジムカーナに参戦している河本選手。クルマとモータースポーツに対して熱いキャラで、喋りだしたら止まらないのが特徴のコミカルな選手だ。当日も多くの学生たちと喉がかれるほどコミュニケーションをかわしていた。

「まずはスタートしたばかりのイベントなのに、想像以上のクオリティで運営さんが素晴らしいと感じましたね。長年ジムカーナをやっている身としては、この大会フォーマットはとても未来があると思います。これまでジムカーナは個人にしかスポットが当たりませんでしたが、チーム戦にすることで新たな戦略性が出てきて多くの人にスポットが当たるようになります。そうすれば人が必要になるし、さまざまな人に注目された結果、関わる人が増えてスポンサーが集まりやすくなるはずです。また、協賛している皆さんも目先の利益というよりは、この業界が継続していくために、学生たちが将来利益を生み出してくれるために、そんな願いを込めて、今風に言えばクラウドファンディング的な想いを持って応援しているのかなと思っています。実際に学生たちとコミュニケーションを取ると凄く真面目だし、ポジティブでやる気がありますね。ただ、彼らの様子を見ていると、車両整備時の安全管理の基本などでいろいろと言いたい部分はありますが、見つけたところに随時声をかけたら出しゃばり過ぎだし、不公平になるのでそこは我慢してます(笑)。だから学生たちからもっと声かけて欲しい! そんな感じですね。今後はOBなどがメンターとして各大学に協力すれば、よりレーシングチームに近い形になってレベルも上がると思います。とにかくいろいろと『やってみたい!』に溢れる大会ですね。語ると止まらないのですが、まずは現場に来て学生たちとコミュニケーションが取れて、ボクもメチャクチャ楽しいです!」

 第一線で戦うドライバーたちにも新鮮で新たな可能性を見せてくれたフォーミュラジムカーナ。今後プロのドライバーがどのような形でこのイベントに関わり、どのような発展をしていくのか非常に楽しみだ。


西川昇吾 NISHIKAWA SHOGO

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マツダ・ロードスター(NB8C後期型)/ボルボV40 T4
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織田裕二、駒形友梨

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