「身体が持たない」という理由で離職する人も少なくない
事情通によると、「地域格差もあるようだが」としながら、「東京都内ではスマホアプリによる配車サービス利用が増えています。しかもこのサービスはいままでタクシーをあまり利用したことがないという人の積極的需要を掘り起こしています。ただ、都内であっても稼働しているタクシーは絶対数で不足しています。しかも、すべての乗務員がアプリ配車を積極的に請け負っているわけではないので、アプリ配車に対応する乗務員は「休む間もなく」という表現が似合うほど多忙を極めているようです。現状は稼働台数も少ないので、働き方次第では「稼げる仕事」に戻ろうとしています。しかし、全国的に傾向が同じということでもないようですし、あまりにも「稼げない仕事」時代が長かったので、そのイメージも世の中で定着しているので、短期間で稼働率を大幅に上げるほど乗務員を充足することはまずできないというのが一般的といえるでしょう」と語ってくれた。
今後は、十分な数の乗務員が確保できないなか、現状より乗務員の働ける時間が減っていくことになりそうなのだが、単に乗務員が足りないというだけでなく、地域によっては「身体が続かない」といった理由で離職する人も目立ち、街なかでのタクシー不足が予想よりも深刻になるのではないかとの話も出てきている。
待遇改善のための時間外労働の制限となるのだが、トラックやバスではいまより働けなくなることで離職も進み問題が深刻化しそうなのだ。タクシー業界では、必ずしも全国的傾向とはいえないが、いままでにない「仕事が多すぎて身体がもたない」という理由で、結果的には離職者を増やしてしまいそうである。どうやって働き手を増やすのかも同時に行わないと、2024年問題の悪影響が拡大していくことになりそうだ。