純粋にロータリーエンジンを味わうにはもってこいの1台
4ドアセダンとしては非常にスポーティなスタイルを持ってはいるが、RX-7を筆頭とするクーペモデルに比べるとデザイン上の制約もあってスタイリッシュさは若干劣ってしまう。かといって4ドアセダンを求めている層からしてみれば、4枚ドアでありながらリヤシートへのアクセスは快適とはいえず、後席も2名しか乗れないタイトなものということで、一般的な4ドアセダンに比べると見劣りしてしまうのだ。
また、NAロータリーエンジンもフィーリングやサウンドは一級品であるものの、RX-7のロータリーターボのような刺激的なものというワケでなく、モアパワーも求めるとなるとそれなりに費用がかかってしまうというのも、チューニングベースとして考えるユーザーにとってはネックといえるだろう。
そして、ロータリーエンジンはメンテナンス、とくにオイル管理が重要となっているが、名目上4ドアセダンとなったことで、そこまでロータリーエンジンに造詣の深くないユーザーも増え、オイル管理がしっかりなされていない個体も存在するようになった。
そこに輪をかけて中古車での価格も安価になったことで、乗りっぱなしのユーザーがさらに増え、現在中古車として流通する車両のなかには、走行距離が少なくても何らかの不調を隠し持っているものも散見されるようになり、より買うのに慎重にならざるを得ないモデルとなってしまったのである。
とはいえ、冒頭にもお伝えしたようにロータリーエンジンを搭載するFRスポーツカーとしてのRX-8は非常に高いポテンシャルを秘めているのは事実であるため、しっかり目利きができるユーザーであったり、信頼できるショップや工場を知っているユーザーにとってはオススメできる1台でもある。
今後、価格が高騰しないともいい切れないので、ロータリーエンジンを楽しみたいと考えている人は候補に入れてみても損はないだろう。