足まわりを強化した「Version II」が登場するも第一印象は拭えず
ただこのモデルは一般ユーザー向けにも販売されていたものの、あくまでレースベース車という位置づけが強かったため、レギュレーションで変更が認められている足まわりやシート、ボディ補強などはベース車のままとなっており、工場出荷状態での総合的な戦闘力はシビックタイプRのほうが優れていた。
そのため、当時の新車メディアなどでのサーキット対決企画などではタイプRが勝利するケースが多かったのである。
そこでメーカーも1998年10月に「VZ-R・N1 Version II」を300台限定でリリース。
このモデルは、専用のサスペンションやストラットタワーバー、205/50VR15サイズのタイヤやフジツボ製の専用メインマフラーを装着し、室内ではMOMO製のステアリングホイールやR33スカイラインGT-Rと同形状のモノフォルムバケットシートを採用するなど、素の状態でも特別感が味わえるモデルに進化していたのだ(それとは別に装備を簡素化したモータースポーツベース車も継続設定)。
ただ登場時のイメージが影響したのか、現在においてもシビックタイプRの影に隠れる存在となってしまったのは残念だが、そのポテンシャルは言うまでもなくいまでも一級品なのである。