八千代を売るとか正気か……ホンダファン「悲鳴」のニュース! だが決して「ネガなニュース」とも言い切れなかった (1/2ページ)

この記事をまとめると

ホンダが「八千代工業株式会社」を実質的にインドの会社に売却

■八千代工業は燃料タンクなどのパーツやS660やビートなどを作っていた

■今後ホンダが考えるプランからすれば決して間違った判断ではないと言えそうだ

盟友「八千代工業」をホンダが手放すことに!

 2023年7月4日、ホンダが発表した「八千代工業株式会社の株式に対する公開買付け」の内容は、自動車業界人やホンダファンにとって非常にインパクトのあるものだった。

 簡単にまとめれば、連結子会社である八千代工業のTOB(株式公開買付け)を実施、インドの部品サプライヤーであるマザーサン・グループに議決権の81%に相当する株式を売却譲渡するということだ。上場している連結子会社の株をTOBして、売却することでグループを再編するというスキーム自体は珍しいことではないが、八千代工業は本田宗一郎氏が社長だった時代から、ホンダと取引があったことで知られている老舗サプライヤーだ。

 かつては八千代工業が三重県四日市に持つ工場において、ホンダの軽自動車生産を請け負っていた時期がある。そのラインから生まれた軽自動車のなかには、ビートやS660といった伝説的スポーツカーも含まれている。

 じつはホンダが四輪の生産を外部に委託していたのは八千代工業だけといわれる。それほど八千代工業はホンダにとって特別な存在であり、密接な関係にあった。そんな八千代工業を、資本関係の深い系列から外してしまうというのだから、八千代工業の背景を知る人々に衝撃をもって受け止められているのは理解できる。

 もっとも、事情通からすればそれほど驚きはないという見方もある。ホンダが系列のサプライヤーを再編するのは、いまに始まったことではないからだ。

 前述した八千代工業の四日市工場についても、すでにホンダが買い取り、現在はホンダオートボディーとなっている。

 ホンダの系列において有力ブランドとして認知されてきた「ケーヒン」、「ショーワ」、「ニッシン」は、日立系の日立オートモティブシステムズと合併統合、日立アステモへと生まれ変わっているのは、ご存じのとおりだ。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

愛車
スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
趣味
モトブログを作ること
好きな有名人
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