取説には「1万kmごと」って書いてあっても「5000km」で換えるべき? エンジンオイルの「交換頻度問題」に決着! (2/2ページ)

環境にも配慮した上で示された数値

保証の考え方

 交換サイクルが短い方がクルマにとっては良いのに、自動車メーカー側の推奨頻度は長く、オイルメーカーやカー用品店の推奨頻度は短く設定されているのだろうか?

 一つは先ほども述べた「保証」という意味合いも大きいのだろう。新車保証は一定期間、もしくは定められた走行距離に達成するまでは無料で保証修理を受けることができるものだ。そして保証を受ける条件として、取扱説明書などに示された取り扱い方法に従った使用やメンテナンスをする必要がある。今回のエンジンオイル交換に限った話をすれば、簡単に言ってしまうと「取り扱い説明書に書いてあるよりも長い交換サイクルだと保証対象外となります」という見方もできる。つまり取扱説明書以上に長いサイクルだと故障のリスクが高くなり、メーカーとしても責任を持てないということだ。「これ以上やったら壊れる可能性が高くなる」。そんなラインと思っておくべきだろう。

 また、二つ目には環境問題が叫ばれる昨今。自動車メーカーとしては二酸化炭素の排出量削減や低燃費と同じように、廃油をできるだけ少なくしたいという考えもあるだろう。今や自動車の環境への取り組みは走行中に消費するエネルギーだけではない、生産から使用、そして廃棄に至るまで自動車の一生のサイクルすべてで環境配慮が考えられているのだ。

 エンジンオイルの交換はシビアコンディションなどを除き、新車を購入して通常の公道走行をするのであれば取扱説明書などにある交換サイクルで基本的には問題ないと言えるだろう。しかし、古いクルマだったり、より愛車と長くカーライフを共にしたかったり、愛車を人よりも大切に思うのであれば短いサイクルでのオイル交換がオススメだ。


西川昇吾 NISHIKAWA SHOGO

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