この記事をまとめると
■自動車保険には最近「テレマティクス保険」というのが普及してきている
■テレマティクス保険には2種類あり、走行距離連動型と運転行動連動型が存在する
■走行距離や運転技術によって保険料が決まる特徴がある
運転が上手いと自動車保険料が安くなる!?
テレマティクス自動車保険は、通信機能を車載したクルマの走行状態を検知し、保険の料率に適用する任意保険制度だ。
テレマティクスとは、テレコミュニケーション(電気通信)と、インフォマティクス(情報処理)を組み合わせた造語である。1990年代から、次世代自動車の研究開発などで検証がはじまった。
テレマティクス保険には、2種類ある。ひとつは走行距離連動型。もうひとつが運転行動連動型だ。
走行距離連動型は、その言葉どおり、走行距離の長短によって保険料が増減する。車載の端末機器から走行距離を把握し、保険料を算出する。当然ながら、走行距離の少ない人はより安い保険料で済ませることができる。たとえば、週末や、近隣への買い物などにしかクルマを利用しない人に向いている。
これについては、既存の任意保険でも、走行距離の短い人は割安の保険料になる制度が採り入れられているので、馴染みやすいかもしれない。
運転行動連動型は、車載の通信機器から、速度や急発進、急ブレーキなどの運転状況を情報収集し、事故の危険性を検証したうえで保険料を算定する。走行距離は関係ないので、日々運転をする熟練運転者に向いているとされる。逆に、初心者はうっかりミスなどが保険料に影響する可能性もあるので、考慮したほうがいいようだ。
ただ、この点においても、既存の任意保険でもゴールド免許証の人への割引制度があるので、事故を起こしにくい人向けという点では通じるところがあるだろう。
それでも、テレマティクス保険は運転操作の様子を細かく確認できるので、より個々人に合わせた料金設定をしていくことでの差別化が進むかもしれない。そして、安全運転する人が増えていけば、交通事故件数が減っていくことも考えられ、保険制度が交通事故減少につながる可能性も出てくる。
冒頭でも紹介したが、テレマティクス保険は前提として通信機能を車載している必要がある。このため、万一の事故に際して、救急などに通報を素早くできる可能性もある。既存の車両でも、緊急通報装置を車載する例があるが、それと同様だ。一方、通信機を車載するには費用がかかり、すべての車種に適応できるとは限らない。そこでスマートフォンを活用することも考えられているが、情報の正確さに未知数な面もあるようだ。