5ナンバーミニバンでのEV登場に期待
ハッチバック車としては、日産リーフが代表的といえる。現在はすでに販売を終えているが、BMW i3は、床下にバッテリーを車載するEVであることを活かした新しい造形に挑戦していた。床が高くなる傾向でも、後席への乗り降りをしやすくするため、観音開きの前後ドアを採り入れていた。
プジョーe208は、床下のバッテリー車載方法を柔軟に考え、前から後ろへ段差のある積み込み方により、ガソリンエンジン車と同じ車体構造でありながらEVであっても室内空間を犠牲にしていない。
同じことは、軽自動車の日産サクラや三菱ekクロスEVにもいえる。エンジン車と共通の車体を使いながら、当初からEVを想定した設計を行うことで、床下にバッテリーを車載しても室内空間は犠牲になっていない。
ミニバンでは、日産e-NV200が、かつてはあった。日産のミニバンは、セレナがシリーズ式ハイブリッドのe-POWERでモデルチェンジをした。その走行性能は、EVに近づけている。EVでも高い商品性を得られるだろうと想像が膨らむ。
EV販売で、SUVを中心に販売台数の確保にこだわる理由のひとつに、日本ではマンションなど集合住宅への基礎充電が十分に設置できずに来た背景がある。東京都は、集合住宅への普通充電設置への支援などをしはじめ、ほかの都市の自治体も、徐々に同様の動きがみられる。
都市部では7割近くが集合住宅住まいとなる日本の現状からすると、戸建てか集合住宅かの区別なく普通充電が普及することで、EVの車種の選択肢も増えていくのではないだろうか。
ことに、根強い人気の5ナンバー車格のミニバンは、EVとなればさらに魅力的な実用車になるはずだ。