さまざまな性能アップにデメリットはなし
そして満を持してCE28Nもフルモデルチェンジを行い、CE28N-PLUSに進化し、今回のお披露目となったというわけだ。
「変えない=デザイン」と「変える=性能」をコンセプトに開発。ビジュアル的にはほとんど変化がないことにこだわる。スポークも太くなっているが正面から見たときにはわからない。スポークの奥行き方向に4.5mm厚くなっている。
リムとスポークとの接合部も応力が集中しにくいなだらかな曲線で構成。センター部も軽量化しつつ、肉抜き穴を廃止することで剛性をアップ。そして、リム形状を変更。TE37SAGA S-plusと同形状にすることで強度と剛性をアップし、強靭さをプラスしている。
ホイールはスポーク形状に注目が集まるが、それと同じように重要なのがリムの形状と厚み。最近のクルマではハイインセットが増え、+60などになるとホイールの中心よりも大幅に取付面がアウト側になる。すると、取付面から内側リムまでの距離が長くなり、リムに負担がかかり歪みやすく、荷重が入ったときの変位量も大きくなる。
この変位量がハンドリングの曖昧さを生み出したり、挙動が不安定になる原因になったりもする。新形状のタフなリムとすることで、CE28Nにより強さをプラスしたのだ。
テストしたのはスーパーGT300クラスでチャンピオンを獲得したコンビでもある山野哲也選手と井入宏之選手。
「CE28SLと比較してハンドリングもブレーキングもシャキッとした。これはCE28N-PLUS単体で乗ってもクルマがシャキッとしたフィーリングは感じられると思う。それくらいの差。デリメットはない」と井入選手。
山野哲也選手は「RZ34で比較した場合、前後のタイヤ幅を10~20mmほど広げたくらいにグリップ力が高まっている。全体のグリップが上がってアンダー/オーバーステアが出なくなり、細かいマシンコントロールが不要になった。WRX STIでの場合はコーナーの奥でステアリングを切ったときにグイグイと曲がるようになった。ブレーキも飛び込んでグイグイ曲げて、早くアクセルを踏んで立ち上がれるようになっている」とコメントする。
レイズ企画部の渡邉将伍さんは「18✕9.5J 38サイズのTE37SAGA S-plusと比較でCE28N-PLUSでは500g軽くなっています。またCE28Nはリバースリムでしたが、CE28N-PLUSでは通常リムとすることで大径キャリパーにも対応できるようになっています。通常新モデルの開発は1年程度ですが、今回は3年かけて開発しました。そのこだわりの結果がオートサロンにもRAYSファンミーティングにも間に合いませんでしたが、それだけこだわって開発したモデルです。すでに17インチの要望をいただいてまして、次回オートサロンに17インチモデルを間に合わせたいなと思って頑張っています」という。
強さのTE37SAGA S-plus、剛性のNE24、性能バランスの良さのZE40、そして軽さと強靭さのCE28N-PLUSがデビューとなり、VOLK RACINGの4大モデルが出揃ったのだ。