ダイハツにこんな「骨太」なクロカン四駆があったのか! 名前からして最強感のある「ラガー」とは

この記事をまとめると

ダイハツからかつて骨太なSUV「ラガー」というモデルが販売されていた

■本格的なラダーフレームを持つクルマで、RVブームでは存在感を放っていた

■OEMとしてトヨタからは「ブリザード」、ベルトーネからは「フリークライマー」として販売された

ダイハツはロッキー以外にも本格クロカンを手がけていた

 ダイハツというと軽自動車やコンパクトカーを得意とするメーカー、というイメージがあるかもしれないが、1970~80年代には本格的なラダーフレームを持ち、リジッドアクスルの足まわりを持つガチめな四輪駆動車を製造・販売していたこともあった。

 今回紹介するラガーは、1974年に登場したタフト(現在の軽自動車とは別モデル)の実質的な後継車種として登場した本格四輪駆動モデルであり、1984年4月にデビュー。

 ボディ形状は当時のSUVとしては一般的だったソフトトップとリヤセクションをFRP製としたレジントップ、そしてフルメタルボディを持ったハードトップの3種類を設定し、すべて2ドア+リヤゲートという組み合わせとなっていた。

 初期モデルのルックスは丸型ヘッドライトも相まってパジェロ風のスタイルとなっていたが、ボディサイズは全長4mを切るコンパクトなもの。ただし、搭載されるエンジンは2.8リッターのディーゼルエンジンと比較的大排気量のものが搭載されている。

 デビュー直後の1984年9月にはディーゼルターボモデルを、翌1985年9月には乗用登録のワゴンモデルを追加し、1987年9月のマイナーチェンジではヘッドライトを丸型から角型へと変更するフェイスリフトを実施した。

 1990年11月の2度目のマイナーチェンジでは、ディーゼルターボモデルにインタークーラーを追加して115馬力へ出力をアップさせる。

 そして、1993年4月の3度目のマイナーチェンジでは足まわりの大幅な変更を実施し、フロントがダブルウイッシュボーン/トーションバーの独立式、リヤが5コイル/コイルのリジッドアクスルへと進化し、トレッドが前後とも大幅に拡大された。

 それに伴ってフェンダーにはオーバーフェンダーが装着され、上級グレードでは3ナンバーサイズになる大型オーバーフェンダーが備わり、ダイハツ車初の3ナンバー登録車となったのだった。

 その後は1997年4月に実質的な後継車種となるテリオスが登場するまで販売が続けられたロングセラーモデルとなっていたが、最後までガソリンエンジンやATモデルは追加されることがない硬派なモデルとなっていた。

 ちなみにラガーはOEM供給もされており、トヨタでは「ブリザード」としても販売されていたが、そちらはトヨタ製2.4リッターディーゼルエンジンを搭載し、ラガーよりも早く1990年4月に終売となったほか、イタリアのカロッツェリア、ベルトーネともライセンス契約を結び、車両を供給。こちらはベルトーネデザインのフロントマスクを備え、心臓部にはBMW製6気筒エンジン(2リッターガソリン、2.7リッターガソリン、2.4リッターディーゼルターボ)を搭載し、「ベルトーネ フリークライマー」としても販売されていたのだった。


小鮒康一 KOBUNA KOICHI

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