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まさかの「癒し効果」! クルマ好き陶酔の「ホンダのエンジン音」は赤ちゃんも大好きだった (2/2ページ)

まさかの「癒し効果」! クルマ好き陶酔の「ホンダのエンジン音」は赤ちゃんも大好きだった

この記事をまとめると

■赤ちゃんはクルマに乗せて走ると泣き止む傾向にあることが多い

■その点にホンダが着目して研究を行ってきた

■その結果を元に商品化したぬいぐる意味が販売されることになった

赤ちゃんを泣き止ませるグッズをホンダが開発

 昭和世代は両親から「アナタはぐずって寝ないときにクルマに乗せて走ると、すぐ寝たのよ」なんて聞かされた人が多いのではないでしょうか? それを覚えていて、自分に子どもができたら試してみたところ、本当によく寝てくれて助かった、という話もよく聞きます。でもそれは、クルマの「揺れ」や「振動」が赤ちゃんを心地よくするからだと思っていませんでしたか?

 じつは、赤ちゃんが車内でよく寝てくれるのは、「エンジン音」にヒミツがあったからだということを明らかにしたのが、日本生理人類学会誌2013年11月の「音刺激が新生児に及ぼす鎮静効果」でした。子宮のなかで赤ちゃんが聞いている音は、お母さんの血流音や心音などの低い周波数を多く含んでおり、エンジン音にもその傾向があることがわかっていました。

 そして、そこに着目したのがホンダです。陸・海・空すべてのモビリティを手掛ける会社であるホンダは、移動やお出かけに関するさまざまな悩みごとを解決するために、子育て中のある「悩み」に直面。それは、泣くのが当たり前の赤ちゃんを連れてお出かけしたときに、電車やバス、お店の中などで子どもが泣いてしまわないか、気になってお出かけが億劫になったり、不安になるお母さんが多いことでした。

 実際に、ホンダが2018年10月に調査したところ、お母さんたちの75%以上が「子どもが泣いてしまうことを心配して、外出することが億劫になる」と回答。この状況をどうやったら解決できるだろうと模索したところ、エンジン音の可能性に行きついたといいます。

 そこから、本当にエンジン音が赤ちゃんを泣き止ませる効果があるのか、さまざまな実験がスタート。まずは、専門家の監修のもと、1960年代から2000年代のいろいろな車種、37台のエンジン音を収録し、胎内で聞こえる音にもっとも近い周波数特性を持つ車種を特定しました。子宮内の周波数スペクトラムと、ほぼ同じような線を描くことがわかったのは、2代目NSXのエンジン音でした。

 次に、生後半年から1歳半の男女の赤ちゃんを対象に、本当に泣き止むのかどうかを、適切な監修・指導のもとに実施。クッションにスピーカーを入れて、泣いている状態の赤ちゃんにエンジン音を2分間聴かせて、表情や心拍数の変化を記録。すると、12人中11人の赤ちゃんに効果がみられ、その11人のうち7人の心拍数が安定するという結果になったのです。

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