コーナリングはバカッ速! 超いいクルマなのに最後の純ロータリーエンジン車「RX-8」が不人気なワケ (2/2ページ)

スポーツカーとしてのポテンシャルは一級品!

 と、このようにとっても優れたスポーツカーなのに人気がないのはなぜか。

「最後のロータリー」というだけでもっとプレミアがついてもいいはずなのだが、考えられる理由はおよそ3つある。

 ひとつは2ドアクーペではなかったこと。FD3Sは国産車では指折りの美しいスタイルを誇るクーペだったが、RX-8は観音開き4ドアの4人乗り。実用性が高い反面、「ピュアスポーツはやっぱり2ドアクーペ」といった考え方をする層に受け入れられなかった面がある。

 もうひとつはエンジンがターボではなかったこと。FD3Sはシーケンシャルツインターボで、I型の255馬力からスタートし、V型で280馬力を達成。一方、RX-8は環境性能、主に燃費を意識したサイド排気ポート(市販車初)のNAで、最高出力は250馬力。

 スペック的に見劣りしたのもあるが、シャシダイで計測すると実馬力は250馬力に大きく届かず、せいぜい230馬力といったところ……。おまけに燃費も期待したほどよくなかったので、それが悪評につながった面がある。

 最後は伝統のなさ。RX-7はSA22Cからはじまり、FC3S、FD3Sと3代、25年=四半世紀の歴史があり、モータースポーツやチューニングカーとしての実績もあるが、RX-8は一代限りで、レースでの実績も目立ったモノは見当たらない。

 そういったこともあってか、型式「SE3P」もあまり知られることなく「エイト」の呼び名で通ってしまったのも、泣きどころともいえるだろう。

 しかし、RX-8が稀代のスポーツカーであることは間違いなく、ガソリン車が自由に乗れるうちに乗っておいて損がないクルマだと断言できる。

 素性としてはとてもいいクルマなので、今後何かの拍子に、ボーンと価格が高騰することも考えられるため、ピュアスポーツカーを求める人は、手が届きやすいうちに入手しておくことをおすすめしたい。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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