この記事をまとめると
■先日、マツダは欧州向けに「MAZDA MX-30 e-SKYACTIV R-EV」の生産を開始
■ロータリーエンジンを11年ぶりに搭載するとのことで大きな話題となった
■それ以前のロータリーエンジン最後の搭載車「RX-8」について振り返る
なぜかパッとしないRX-8をいま改めて振り返ってみる
6月22日、「宇品第1工場(広島県広島市)にて、欧州向けの「MAZDA MX-30 e-SKYACTIV R-EV」の量産を開始した」というニュースがマツダから流れてきた。「MX-30 e-SKYACTIV R-EV」は、ロータリーエンジンを発電専用に使うシリーズ式プラグインハイブリッド(PHEV)で、1ローターの「8C」ロータリーエンジンが載っかっている。
つまり、 RX-8の量産終了以来約11年ぶりのロータリー復活というわけだ。
しかし、そのハイブリッドではない、最後のロータリーエンジン搭載車のRX-8の人気がいまひとつ低迷したままになっているのはなぜだろう?
同じロータリーでも、FD3Sは価格高騰の真っただなかで、後期の優良コンディションだと中古車価格が1000万円を越える固体もあるほど。平均価格で見ても430万円が現在の相場だ。一方、RX-8はFD3Sよりも年式が新しいのに、中古車の平均価格は93万円。100万円を切っている。この差は一体どこから来るのか。
はじめに言っておくが、RX-8はクルマとして、機械としてとってもよくできている。
とくにシャシー性能は秀逸で、前後重量配分はFD3Sと同じく50:50だが、FD3SよりもRX-8のほうがエンジンはより中心に近いところにマウントされ、搭載位置も低くなり、燃料タンクもホイールベース内に収まっている。ホイールベースはFD3Sよりも275mm伸びて2700mmになっているが、その分FD3Sよりも直進安定性に優れ、なおかつよく曲がる。
純粋なコーナリング=定常円旋回で比較するとよくわかるが、RX-8より定常円旋回が速い国産車はないぐらい速い。
そしてエンジン。13B-RENESISのレブリミットは9000回転! FD3Sの13B-REWのレッドゾーンは8000回転からなので、RX-8のほうが1000回転も高回転が使える。あまり知られていないが、量産車で9000回転までまわせるのは、このRX-8とホンダのS2000(AP1)のF20Cエンジンぐらいだ。