ポルシェ・アウディ・マツダ・トヨタと1970年代以降も名車だらけ
5リッターグループ4スポーツの時代に圧倒的な強さを誇ったのがポルシェ917だったが、その917勢からなんと1971年のル・マンに参戦したガルフカラーの917LH・17号車が登場。結果はリタイアだったが、その後の消息が不明となっていた伝説の車両だけに、今回の登場はファンにとって嬉しい限りの出来事だった。
1980年代のル・マンを断然リードしたのがポルシェである。1981年の936/81に始まり1987年の962Cまで、前人未踏のル・マン7連覇を達成。ヨースト(1984/1985年優勝)の956を先頭に居並ぶポルシェグループCカー勢は、壮観な様相を呈していた。
ル・マンのレギュレーションが変更される端境の時期に、IMSA-GTP規定で臨んだ4ローターのマツダ787Bが1991年のル・マンを制覇。日本人には思い出深い車両だ。フォルカー・バイドラー/ジョニー・ハーバート/ベルトラン・ガショーのトリオがドライブ。
2000年から直噴エンジンのFSIをテーマに、続く2006年からディーゼルターボ、2012年からディーゼルHVでル・マンに参戦。またたく間に合計13勝を挙げたアウディは優勝全車を出典。ル・マン通算9勝(アウディで8勝)をマークしたトム・クリステンセンを輩出したことでもよく知られるメーカーだ。
そして、トヨタ。ル・マン初参戦は1985年と古かったが、初優勝を遂げるのは33年後の2018年、TS050まで待たなければならなかった。しかし、その後は現行のGR010と合わせてル・マン5連覇を達成。優勝5モデル全車が展示された。
100年の歴史を積み重ねたル・マン、次の節目となる大会は9年後の2032年、第100回大会だ。おそらく、今回と同じような企画が行われることになると思うが、時代背景を象徴する車両、ひょっとしたら水素燃料車が顔を連ねているかもしれない。
これから10年、自動車に大きな変革期が訪れるであろう時代のル・マンは、いったいどういった内容で開催されることになるのだろうか。その成り行きが注目される。