新たなクルマ同士のいざこざ……じゃなかった! 「けんかワイパー」って何? (2/2ページ)

本数が多いモデルもあれば1本しかないモデルも

 こうしたけんかワイパーに近いものに、合掌型ワイパーがある。

 合掌型は路線バスなどでよく見かける、フロントガラスの中央で縦に手を合わせるような形でワイパーが停止しているタイプ。バスのフロントガラスは面積が大きく、しかも左右2枚に分割していることが多いので、この合掌型ワイパーが普及している。

 もう1つ、シングルワイパーというのもある。

 これもホンダ車のイメージが強く、プレリュード(2代目)やトゥデイ、マツダのAZ-1、スバルのアルシオーネ、トヨタ・ヴィッツ、三菱 i-MiEVなどがシングルワイパー。

 また伸縮式シングルワイパー=パノラマワイパーを採用したベンツのW124なども有名。

 シングルワイパーは構造が単純でコストも安いが、ワンアームであるがゆえに単純計算でツインワイパーの2倍の速度で動かさないと、単位時間あたりの拭き取り面積がツインと同じにならない……。

 結果として、モーターやギヤなどの負担も大きくなってしまうこともあり、少数派だ。

 反対に大型トラックや、トヨタのFJクルーザーのように、フロントガラスのワイパーが3本もあるタイプも! ガラスの高さが低いわりに横幅が広かったり、一部の大型トラックのように、運転席と助手席の間に中央席があるクルマは、ワイパーが3本になっていたりする。

 このほか、2013年にマクラーレンオートモーティブが超音波で水滴を除去する仕組みを発表し話題となったが、ワイパーの役割として、水滴だけでなく、汚れや雪も落とすことを考えると……。

 完全自動運転が実用化し、視界がそれほど重要でなくなるまで、ガラスの表面をゴムで拭う方式に勝る仕組みは発明されないかもしれない。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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