N-BOXがいくらバカ売れしても敵わない! やっぱり軽はダイハツとスズキが独走する理由 (2/2ページ)

トヨタディーラーではダイハツの軽自動車を購入することが可能

 業販店としては仲介業者的役割を果たした場合には、正規ディーラーからの紹介料がもらえたり、仕切り販売、つまり納車後のメンテナンスを業販店が行うことでメリットが生じるようになっていたりするようだ。しかも、たとえば同じモータースでスズキとダイハツ両方の業販店を兼ねているケースも多い。そのため、月末などにお互いが販売状況の探りを入れ、最終的に自社届け出なども含めて販売実績の上乗せなどで調整を行うので、結果としてかなり近い台数で両メーカーが販売台数を競い合うことになるともいわれている。

 ここのところは、ブランド全体ではダイハツが軽自動車販売トップになることがほとんど。ただし、軽四輪乗用車に限っていえばスズキがトップになるケースがほとんどとなっている。

 また興味深いのは、ダイハツの軽自動車販売ではトヨタ系正規ディーラーでの販売比率というものが意外なほど高いのである。その比率についてははっきりした部分はわかりにくいのだが、全体の4割に迫るといった都市伝説的な話も聞いたことがある。

 店頭に実車は置いていないものの、ダイハツ系正規ディーラーと軽自動車について委託販売契約を結んでいるトヨタ系正規ディーラーでは、ピクシスという車名でダイハツからOEM(相手先ブランド供給)されている軽自動車以外でも、ダイハツブランドの軽自動車を購入することが可能となっている。

 トヨタとしては、日産やホンダほど軽自動車販売を積極的に行うつもりはない。ただ、トヨタブランドの登録車に乗っているお客がセカンドカーとして軽自動車の購入を考えた時に、スズキやホンダの軽自動車へ流れるのを防ぎたいとの思惑があり、軽自動車を扱っていると聞いたことがある。しかし、セールスマンの販売実績としてピクシス車を売ってもカウントしないなど、本格的に軽自動車を販売するつもりはないので、ダイハツブランドでの売れ筋モデルを避ける形で、ピクシスシリーズをラインアップし、それでも「タントが欲しい」といった、あくまで既納トヨタユーザー向けにダイハツ軽自動車の委託販売を行っているようである。

 販売形式としては、ダイハツディーラーに購入希望客を仲介するような形のほかに、一度当該トヨタ系正規ディーラーがダイハツ系正規ディーラーから購入する形で、新規に届け出を行ってナンバープレートをつけたあとに、いわゆるトヨタ系ディーラー所有の届け出済み未使用軽中古車として販売するケースがあると聞いている。

 一般的な業販ルートではスズキが強みを見せるともいわれており、グループ企業であるダイハツをバックアップする意味でも、トヨタ系正規ディーラーで委託販売が行われているようである。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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