この記事をまとめると
■メルセデス・ベンツがEVのコンセプトモデル「ヴィジョン・ワン・イレブン」を発表
■同社のコンセプトモデル「C111」をオマージュしたエクステリアとボディカラーが特徴
■インテリアもLEDのドットマトリクス表示のメーターなど特徴的
メルセデス・ベンツの未来を予感させるオレンジのコンセプトカー
メルセデス・ベンツの最新デザインスタディモデル、「ヴィジョン・ワンイレブン」は、その特徴的なデザインからも、そしてボディカラーからも、1969年に初代モデルが誕生したコンセプトカー、「C111」のオマージュであることは間違いのないところだろう。
C111が追求したのはひたすらに最高速であり、そのために3ローターや4ローターのロータリーエンジン、V型8気筒ガソリンエンジン、あるいは直列5気筒ディーゼルエンジンなど、さまざまなパワーユニットとの組み合わせが試みられ、最終的には4.8リッターのV型8気筒ターボエンジンを搭載。約10年間にわたって、C111の進化と最高速との戦いは続けられたのである。
ヴィジョン・ワンイレブンのボディシルエットは、メルセデス・ベンツが近年その基本コンセプトのひとつとする「ワン・ボウ」、すなわち「ひとつの矢」を、そのまま具現化したかのようなものだ。そしてデザインのベースにあるのは、もちろん一連のC111シリーズ。そのカッパーオレンジと呼ばれる、C111とはやや色調の異なるボディカラーとガルウイングドアなどからは、C111とヴィジョン・ワンイレブンとの関連性をイメージできる。
全高でわずかに1170mmというサイズで、そのワン・ボウのコンセプトを実現できた最大の理由は、パワーユニットが、エレクトリックモーターを想像させる大径ホイールのデザインからもわかるように、EVのシステムを搭載するからにほかならない。
イギリスのブリックスワースにあるメルセデスAMGの子会社、メルセデスAMGハイパフォーマンス・パワートレイン社の開発によるこのシステムには、最大で4個の軸流エレクトリックモーターが搭載され、その場合の最高出力はじつに1920馬力にも達するという。ヴィジョン・ワンイレブンは、世界に最新の技術力を主張するコンセプトカーでもあったのだ。