400年以上の使用に値する250万kmに及ぶテストを実施
とにかく先進技術とロールス・ロイスのプライドが詰め込まれているこのスペクター。驚くのはまだ早い。
このスペクター、ロールス・ロイス初の電動車ということもあって、「信頼性が低いのではないか?」と不安視するユーザーもきっと多いことだろう。しかし安心あれ。このクルマを開発するにあたって、同社ではなんと400年以上の使用に値する250万キロに及ぶテストプログラムを実施。
-40度から50度まで極限の温度環境や、北極圏の氷雪から砂漠、高地の山道、世界各地の巨大都市に至るまで、さまざまなコンディションを乗り越えており、このテスト内容はブランド誕生120年の歴史のなかでもっとも過酷な内容だったという。
スペクターの骨格は、オールアルミフレームの「アーキテクチャー・オブ・ラグジュアリー」を採用。軽量かつ高剛性なのが自慢だ。なお、バッテリーの車両構造への一体化により、ロールス・ロイスの従来モデルより30%高い剛性を達成しているのも特徴となる。ちなみに、搭載されるバッテリーは700kgもの重量となるが、これにより遮音性にも貢献しているとのこと。
さらに、スペクターには1000を超えるさまざまな機能が同時に情報交換できる画期的な「分散型インテリジェンス」や、ドライバーの状況や路面状況に応じて的確に反応する「プラナー・サスペンション」が搭載され、ロールス・ロイスを特徴づける「マジック・カーペット・ライドを実現している。
パワーユニットもロールス・ロイス史上最強スペックとなっており、航続距離は準拠値で530km、最高出力430kWのパワートレインを搭載し、最大トルクは脅威の900Nm、0-100km/hの数値は4.5秒となる。
この、ブランド史上もっともパワフルと言っても過言ではないスペクターは、先日日本でも初めて公開されている。今回展示されたモデルは「プロフェシー(Prophecy)」というモデルで、ビスポーク・モデルとなる。
エクステリアには、創業者ヘンリー・ロイス卿のゆかりの地であるウェスト・ウィッタリング・ビーチの美しい色合いにインスパイアされたウィッタリングス・ブルーを取り入れたほか、鮮やかなマンダリン・カラーのショルダー・ラインがエレガントかつコンテンポラリーな雰囲気を際立たせている。
インテリアにはシヴァロ・グレーとチャールズ・ブルーが組み合わされ、マンダリン・カラーのシートのパイピングとステッチ・ポイントが、インテリアとエクステリアの絶妙なバランスを生み出しているのが特徴だ。
大注目のスペクターは、現在ロールス・ロイスの正規店にて受注を受け付けている。納車は今年の第4四半期からを予定しているという。