この記事をまとめると
■フェラーリがSF90XXストラダーレとSF90XXスパイダーを発表
■「XX」の名が与えられたモデルとしては初めて公道走行が可能なモデルとなる
■それぞれ799台、599台の限定モデルで価格は1億2000万円超ですでに完売
ついに姿を現した公道走行が可能なXXプログラムモデル
F40やF50などに代表されるスペチアーレや、1950年代のレーシングマシンをモチーフにしたスタイリングに現代の最先端の技術を融合させたICONAシリーズ、過酷なサーキット走行で得られたデータを次期モデルに活かすことを目的としたサーキット走行専用モデルを用意するXXプログラムモデルなど、フェラーリにはいくつかの特別なモデルが存在する。V8搭載車のモデルチェンジ前に発表されるスペシャルモデルもそのひとつだ。
そんなスペシャルモデルの最新作となる「SF90XXストラダーレ」と「SF90XXスパイダー」が発表された。同車はそれぞれSF90ストラダーレ/SF90スパイダーをベースに数々のモディファイが加えられたもので、歴代スペシャルモデル最強のパフォーマンスを誇る。しかも今回のSF90XXストラダーレとSF90XXスパイダーは、その車名に加えられた「XX」の文字からも分かるとおり、XXプログラムモデルのコンセプトが取り入れられ、驚異のドライビングエクスペリエンスを実現しているという。
歴代スペシャルモデル最強のパフォーマンスの源となっているのは、3990ccのV8ターボエンジンと3基の電気モーターを組み合わせたPHEVシステムであるのは間違いのないところ。
V8ターボエンジンの797馬力という最高出力は、吸排気ダクトのポリッシュや燃焼室への特殊な機械加工、新ピストンによる圧縮比の引き上げなど、さまざまなモディファイによって実現されたもの。これは、ベースモデルであるSF90ストラダーレ/SF90スパイダーからじつに17馬力のパワーアップとなる。また、革新的素材の採用や吸気チューブの再設計などにより、フェラーリらしいエンジンサウンドが作り出されているのも見どころだ。
3基の電気モーターは、特許を取得したビークル・ダイナミクス・ロジックをフェラーリのロードカーで初採用したことにより、最高出力233馬力を実現。モーターの動力は7.9kWhの容量の高性能リチウムイオンバッテリーから供給され、フル電動モードでの航続距離は25kmとなっている。
結果としてシステム総合最高出力1030馬力となったパワートレインに組み合わせられるのは、SF90ストラダーレでフェラーリのラインアップに初登場した8速DCTとなるが、その変速ロジックを変更。フェラーリ・デイトナSP3に導入された特許取得のロジックを採用し、さらに魅力的でダイナミックな加速特性を実現。この変速ロジックは変速サウンドにも大きく影響しており、中高回転域でのアクセルオフ時の変速サウンドを強調するよう大きく向上を果たしている。
このように、強化されたパワートレインにより、フェラーリ史上もっとも高いパフォーマンスを持つロードカーとなったSF90XXストラダーレ/SF90XXスパイダー。左右輪の駆動力配分を制御するトルクベクタリングや、センサーと連動して制動力を最適に制御をするABSエボコントローラー、短い急激なパワーブーストを可能としたエクストラブーストなどの先進装備がこれまでにないドライビング・エクスペリエンスを実現する。
またその一方で、電動モードからのスムーズなハイブリッドモードへの移行など、市街地走行での高いユーティリティを備えていることも見逃せない。