「可愛そうだから」で運転中の車内で野放しは「違反」な上にむしろ「虐待」! クルマと犬のプロが語る愛犬の乗せ方の正解とは (2/2ページ)

安全で便利なアイテムを使えばペットとのドライブはさらに楽しい

 と、カタイ話ばかりしてきたが、毎月のように仕事、プライベートでわが家の愛犬たちとドライブ旅行に出かけている、ドッグライフプロデューサーでもあるボクが、どうやって愛犬をクルマに乗せているかと言えば、基本は飼い主の目が届き、乗り心地、静粛性、空調環境面で犬にやさしい後席に乗せている(3列シートミニバンで、2列目席に飼い主が乗っている場合は、エアコン吹き出し口のある3列目席でもOK)。

 しかも、人間は必須のシートベルトに代わる、拘束装置……というと大げさだが、リードフック付きのドライブベッドやペットカートのキャビンなどに乗せ(車内を抜け毛やヨダレで汚さない効果あり)、さらにリード&ハーネスセットを用い、ハーネスを装着させ、短めにしたリードの先をヘッドレストで固定して、二重の安全対策を施した上で、安全快適に乗せ、ドライブを楽しませてあげている(もちろん、飛び出し防止にも役立つ)。

 ちなみにハーネスとは胴輪のようなアイテムで、首だけにかけるカラー(首輪)と違い、強いテンションがかかっても、首が締まらないため、愛犬用シートベルトとしても適切と考えている。下の写真のリード&ハーネスは、DOG DEPT2023年春夏新作カモフラソフトハーネス&リードセット。

 ところで、寂しがり屋の愛犬と飼い主ふたりのドライブの場合、愛犬を後席に乗せると寂しくて可哀そう……という想いから、助手席に乗せたくなる飼い主もいるはずだが、何の拘束装置もないまま乗せるのは、先に説明した道路交通法違反になる。

 万一の際のエアバッグ展開時に、愛犬が死に至るダメージを被ることもあり得るのだから、絶対にNGである。とはいえ、超小型犬を後席にひとりで乗せると、寂しくてわんわんうるさく、運転に集中できない……というケースもあるだろう。そこで、超小型犬、小柄の小型犬限定とはなるのだが、ホンダの純正アクセサリーにある、Honda Dogシリーズの「ペットシートプラスわん2」がお薦めだ。

 後席、エアバッグが付いた助手席に、安全にしっかりと取り付けられ、ドライバーの飼い主ひとりと寂しがり屋の超小型犬、小型犬だけのドライブでも、助手席に装着することで、左右と上部にあるメッシュ窓によってお互いにアイコンタクトすることができ、安心。

 通気性にも優れ、上からも横からも乗車させることができ、底部には飛び出し防止のリードフックが付いているので、快適性、乗降性、安全性も文句なしというわけだ(エアバッグの展開に対応した形状になっている。走行中は上部を閉めること)。

 ちなみに、最近、わが家で愛犬のジャックラッセルのララとドライブするときに使っているのが、ベビーカートやペットカートで有名なコムペットから発売されているFikaGO FLYTTA PLUS(フィカゴーフリッタプラス)というペットカート。

 普段のお散歩やドライブ先での移動に便利なペットカートだが、たった1秒で自動かつコンパクトに収納できる”自動折り畳み機能付きの技アリ”なペットカートで、なおかつ、犬が収まるキャビンを外せ、そのメッシュ窓を備えたキャビンを後席に付属のベルトと後席用シートベルトを使って、しっかり確実に固定できるマルチな使い勝手を備えているのである。

 前輪はサスペンション付きで、実際に乗っているわが家のジャックラッセルのララによれば、乗り心地もなかなかとのこと。

 通常サイズがFikaGO FLYTTAで、キャビンがロング仕様になっているのがFikaGO FLYTTA PLUS。キャビンと車体本体が分離できるため、キャビンを後席に設置すれば、トランクやラゲッジルームへは、コンパクトに畳んだ車体本体だけを積めばよく、そのほかの荷物を含む積載性にも優れているというわけだ。

 下の写真は新型クロストレックのラゲッジルームにFikaGO FLYTTA PLUSの車体本体を縦、横に置いたところ。ラゲッジルームの実測寸法は奥行810×ホイールハウス間の最小幅1085mm。

 ぜひ、こうしたアイテムを使って、愛犬との安全で快適なドライブを楽しんでほしい。少なくとも、ペットの危険な乗車が原因で、道路交通法違反で取り締まられ、免許にキズがつくことはなくなるわけだ。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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