南米ではまさかの「ゴキブリ」呼ばわり!
このケイファーとかビートル、あるいはバグという虫というキーワードは世界各国でさまざまな解釈がなされ、カブトムシ以外にもバリエーションが広がっています。たとえば、フランスでは「Coccinelle(てんとう虫)」だそうで、個人的にはカブトムシより的を射ているというか、可愛らしいのではないかと。さすが、芸術の国といった感じでしょうか。
それがお隣のイタリアになると「Maggiolino(黄金虫)」となり、虫は虫でも国によって解釈が違うことがわかります。ただ、イタリア人に「マッジョリーノって知ってる?」と聞いてみると「ああ、美味しいよね」と謎の返答(笑)。アメリカのハービーほどには浸透していないようです。
で、同じくラテン系のスペインになると「Escarabajo」。エスカラバッホと発音するようで、これまた甲虫、とくに黄金虫という意味だそうで、ケイファーを由来としていること想像しやすいですね。とはいえ、フォルクスワーゲン・エスカラバッホといわれても我々日本人がビートルをイメージするのはちょっと難しいかもしれません(笑)。
また、同じラテンでもビートルを生産していたこともあるメキシコになると「Vocho」という愛称となり、意味こそ虫ですが、フォルクスワーゲン・ビートルだけにつけられたものだそう。なので、あえてフォルクスワーゲンという社名をつけなくても、レンタカーのカウンターなどでは「ボチョある?」で通じるみたいです。
最後は南米での愛称「Fusca」。かの地ではビートルを指す一般的な呼び名として定着しているようですが、もとは「南米産の大ゴキブリ」の一種だそうです(笑)。たしかに、甲虫からカブトムシ、黄金虫といったトランスフォームはあるものの、ゴキブリまでたどり着くとは、さすが世界のベストセラーだけのことはあります。ブラジルでは「どんなクルマ乗ってんの?」「あ、ゴキブリ(fusca)だよ」的な会話が成り立っているのでしょうね。
※写真はアフリカでのフォルクスワーゲン・ビートル
なお、フォルクスワーゲンがセンスいいなと思うのは、こうした各国の呼び名を車名エンブレムとして販売しているところかと。日本国内でも入手できたようですから、ビートルマニアの方は、ぜひお気に入りの愛称をチェックしてみてはいかがでしょう。