日本では途絶えてしまったサニーの血筋
5代目は1981年10月に登場するが、ここでサニーはFRからFFへと大きく舵を切る。これはカローラに先駆けてのもので、エンジンもOHVからSOHCに、車検証上の車名もダットサンからニッサンへとさまざまな部分が一新されたモデルとなっていた。
前輪駆動モデルとなったことで、スポーティなイメージはやや下火となったサニーだったが、6代目ではモータースポーツベースの「VR(Version Rallyの略と言われる)」や7代目では国内サニー史上初となる1.8リッターエンジンを搭載する「1.8GT-S」などを設定。
8代目モデルではJTCCを舞台として1994年シーズンから参戦をスタートさせており、スポーティな装いをまとった「スーパーツーリング」というグレードも用意されていた。
そして、国内最後のサニーとなった9代目は1998年10月に登場。ここでホッテストモデルとして、パルサーなどに搭載されて人気を集めていた175馬力を発生する1.6リッターのSR16VE型エンジンを搭載する「VZ-R」グレードを設定。
しかし、すでに高齢化が進んでいたサニーユーザーには響かず、登場から2年足らず、300台ほどの販売でカタログ落ちとなり、2002年5月のマイナーチェンジでエクステリアデザインを大きく変更するも販売は好転せず、2004年でサニーの国内販売は終了することとなる。
その後、実質的な後継車種であるティーダラティオ、そしてその2代目モデルとなるラティオも登場するが、日本国内での小型セダン需要の縮小には抗うことができず、すでに姿を消している。
ただ、サニーの北米仕様として販売されていた「セントラ」については独自の進化を続け、現在も新型が販売中となっており、国の違いを感じさせるところだ。