この記事をまとめると
■「空飛ぶクルマ」の開発や実証実験が近年急速に進んでいる
■しかし発表されているモデルのほとんどはクルマのような見た目をしていない
■「クルマのように誰でも自由に移動できる」というのが「空飛ぶクルマ」のコンセプトだ
「空飛ぶクルマ」はクルマっぽくないのにクルマ扱いされる謎
多くの人にとって、すっかりお馴染みとなった「空飛ぶクルマ」という言いまわし。
だが、よく考えてみると、発表されているモノの多くは見た目も機能も「クルマっぽい」という印象はない。それなのに、国も大手メディアもこぞって「空飛ぶクルマ」と呼ぶ。
いったい、なぜなのだろうか?
まずは、日本の国としての見解を確認しておく。経済産業省には「次世代空モビリティ」という視点での政策がある。そのなかで、大きくふたつの領域があり、ひとつが「ドローン」。もうひとつが「空飛ぶクルマ」だ。
その上で、「空の移動革命に向けた官民協議会」を2018年8月29日に第1回を開催し、直近では2022年3月18日まで合計8回行われている。
同協議会で、経済産業省が提出した資料には、「空飛ぶクルマとは?」という項目で次のような記載がある。以下、全文を引用する。
~明確な定義はないが、「電動」「自動」「垂直離着陸」がひとつのイメージ。機体、運航、インフラにかかるコストが安くなり、”空の移動が大衆化”。速くて安くて便利なヒト、モノの移動が可能に。~
つまり、これまでの飛行機やヘリコプターなどの飛行する乗り物は、その存在自体が庶民にとって遠い存在なのに対して、”まるでクルマのように”いつでもどこでも、安く移動できる飛行する乗り物、という意味を込めて、空飛ぶクルマという概念を提唱しているのだと思われる。